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遮光ネットの下で遊ぶ園児たち=神戸市長田区神楽町2、神楽こども園
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遮光ネットの下で遊ぶ園児たち=神戸市長田区神楽町2、神楽こども園
職員が連日、スマートフォンで熱中症の警戒情報を確認している=神戸市長田区神楽町2、神楽こども園
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職員が連日、スマートフォンで熱中症の警戒情報を確認している=神戸市長田区神楽町2、神楽こども園
神戸新聞NEXT
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 真夏の幼児の外遊びに、遮光ネットや暑さ指数を取り入れる動きが兵庫県内の保育施設などで広がっている。近年は猛暑が命に危険をもたらすまでに過酷となり、園庭をネットで覆って日光を遮り、職員がスマートフォンで指数情報をチェック。猛暑と新型コロナウイルスの拡大が続く今夏は、感染対策との両立も迫られる。(金 慶順)

 7月中旬、神戸市長田区にある認定こども園「神楽こども園」。縦約11メートル、横約12メートルの遮光ネットで覆われた園庭で、子どもたちが元気に走り回っていた。

 ネットは熱中症対策のため2013年に導入した。毎年、業者に依頼して設置し、5~10月ごろに活用している。「日なたと比べると、体感で2度ぐらい涼しい」といい、来園者からも好評だ。

 職員は毎朝、スマホの天気予報アプリで熱中症情報を確認。気温や湿度、日差しによる熱などから算出された暑さ指数が表示される。指数が高い順に「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」と対策を促す。

 「危険」の中でもさらに状況が厳しくなる予想が出た場合に発表される熱中症警戒アラートの発表時は、同園では外遊びの中止も検討する。アラートが出ていなくても、状況を見て柔軟に対応するようにしている。

 倉本洋子園長は「子どもたちの健やかな成長のためには、涼しい室内だけで過ごさせるわけにもいかない。安全を確保した上で、できるなら外で遊ばせてあげたい」と話す。かつてない規模で拡大する新型コロナの感染「第7波」で、消毒や換気、マスク着用にも気を使う。

 コロナ禍で、密になって屋内で遊ぶことを避けるため、遮光ネットの需要は高まっている。神戸市教育委員会が20、21年度に設置希望を募ったところ希望が相次ぎ、市立全32幼稚園中23園が導入したという。

■「警戒アラート」今夏多発

 暑さ指数は、労働や運動環境の指針として有効と認められた国際基準で、環境省と気象庁が昨年から全国で運用を始めた「熱中症警戒アラート」の基となる。両省庁は暑さ指数やアラートを参考に、運動の危険性などを判断するよう呼びかける。

 暑さ指数は特に、熱中症に対する湿度の影響を重視。湿度が高い場所では汗が蒸発しにくく、体から熱を放出する能力が減少し、熱中症になりやすいという。環境省の熱中症予防情報サイトには、日常生活と運動に関する指針を掲載している=表参照。

 アラートは、指数がさらに高い33以上と予測される場合に発表。おおむね都道府県単位で、前日夕と当日朝に出される。兵庫県内でも今夏、6月30日分を皮切りに発表が相次ぐ。対象地域では屋外の運動を原則中止し、なるべく外出を避けて小まめに水分補給することを促す。(上田勇紀)

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