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今が旬、鈴なりの網干メロン=姫路市網干区津市場
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今が旬、鈴なりの網干メロン=姫路市網干区津市場
網干メロンのハウス栽培を定着させた開發明弘さん=姫路市網干区津市場
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網干メロンのハウス栽培を定着させた開發明弘さん=姫路市網干区津市場
やや黄色く色づいた網干メロン。これくらいが食べ頃だという=姫路市網干区津市場
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やや黄色く色づいた網干メロン。これくらいが食べ頃だという=姫路市網干区津市場
網干メロンのつるを支えるノリ養殖用の網=姫路市網干区津市場
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網干メロンのつるを支えるノリ養殖用の網=姫路市網干区津市場
網干メロンのシャーベット(姫路農業改良普及センター提供)
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網干メロンのシャーベット(姫路農業改良普及センター提供)

 暑い。兵庫・姫路の伝統野菜「網干メロン」を味わえる季節が、今年もやってきた。普通のメロンとひと味違う、さっぱりとした甘みと後味は酷暑にぴったりだ。ハウス栽培を定着させた開發(かいほつ)明弘さん(75)=姫路市=によると、網干メロンは「暑さが大好き」なんだとか。真夏の早朝、出荷作業に汗を流す開發さんに、おいしい網干メロンを作る秘訣(ひけつ)を聞いた。(上杉順子)

 網干メロンは姫路市網干区などで生産されている生食用マクワウリの一種。大正時代に網干地域で栽培が始まり、昭和初期から「網干メロン」の名で出荷されるようになったという。

 長らく露地栽培、自家消費が中心だったが、雨に弱く、「ハウスなら収穫量が安定するのでは」と、開發さんが約20年前からハウス栽培を開始した。自身が会長を務める「ハウス網干メロン研究会」(会員12人)の作付面積は、2012年の約34アールから21年は142アールと、10年ほどで4倍以上に増えている。

 地元スーパーなどと契約し、収穫後すぐに消費者に届ける仕組みも構築。現在は早朝に取った網干メロンが昼には市内の店頭に並ぶという。1個あたり150~200円程度で販売されている。

 7月下旬の朝、同区にある開發さんの農園を訪ねた。天井から無数の果実がぶら下がるビニールハウスは、高さが1・2メートルほどしかない。あまり高くすると、ハウス内に流している水の吸い上げが悪くなるためだ。「食べ頃のサイン」だという、甘い香りが周囲に漂う。

 しゃがんで内部を進む。長い。どこまで続いているのか、ハウスの先が見通せないことに驚く。なんと80メートル。それだけ生産量も多く、最盛期には1日に3、4個セットを250パックほど出荷するという。

 夏場にハウス内は40度以上になるが、暑さに強い網干メロンは、他の野菜のように変色することはないそうだ。雨を防ぎつつ風通しをよくするため、ビニールはハウスの上半分しか覆わない。むき出しになった側面からはネットに絡まるつるがのぞく。

 「このネット、本来は何用やと思う?」と開發さん。正解は、ノリ養殖用。海が近い網干で、身近にある物を活用した。丈夫で扱いやすく、鉄パイプと組み合わせてアーチ形に成形している。ハウス栽培初期は、つるを斜めにはわせるなど試行錯誤したが、アーチ形が最もよく日が当たり、収穫量も多くなったという。

 やや黄色く色づいた食べ頃の果実を手に、「マスクメロンよりおいしいという人もいる。しつこくない甘さだから、いくつでも食べられるよ」と開發さん。

 出来を左右する条件として「お日さまが一番大事」と力を込める。昨年はお盆以降の曇天に泣かされたが、今年は4月の植え付け段階から好天続き。栽培に適した年だといい「期待してほしい」と話している。収穫は9月半ばまで続く。

     ◇     ◇

7日にフェア、直売や試食、シャーベット無料配布も

 収穫時期に合わせて毎夏開かれる「姫路網干メロンフェア」が7日午前8時半~10時、姫路市農業振興センター(同市山田町多田)である。

 「ハウス網干メロン研究会」による直売に加え、網干メロンの試食、加工品のシャーベットの無料配布などを行う。生産者と商工業者による商談コーナーも設ける。雨天決行、売り切れ次第終了。同センターTEL079・263・2220

 また、市内のスイーツ店などにも、網干メロンを使った商品が登場。県姫路農業改良普及センターによると、同市南町のロールケーキ専門店「偃路(えんじ)」が網干メロン入りのロールケーキを、「安富ゆず工房」(同市安富町長野)がシャーベットを販売しているという。

西播
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