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現役引退後、JR駅員として働きながら職場の草野球チームで汗を流す大前佑輔さん(中央)=本人提供
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現役引退後、JR駅員として働きながら職場の草野球チームで汗を流す大前佑輔さん(中央)=本人提供
初出場の甲子園で力投する大前さん=2004年4月
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初出場の甲子園で力投する大前さん=2004年4月

 6日に開幕した夏の甲子園大会に初出場する母校の姿に、18年前の大声援を思い起こした。社高校(加東市)OBで、2004年春のセンバツ出場時の投手、大前佑輔さん(34)=東京都。1回戦で17奪三振の快投を演じ、「社旋風」の立役者となった伝説の左腕は「技術も心も強い素晴らしいチーム。社高校らしく、思い切ったプレーを」と、9日に予定される初戦に臨む後輩たちにエールを送る。

 04年の選抜大会で大前さんは圧巻の投球を演じた。1回戦の福井高校戦で、毎回の17奪三振を記録して3安打完投。社高校の初陣を鮮烈に飾り、背番号10の2年生は一躍脚光を浴びた。

 「とにかく夢中だった。17奪三振も試合後に聞かされて驚いたほど。それぐらい特別な舞台だった」。大前さんが勢いづけたチームは快進撃を続け、初出場でベスト4に進出。準決勝で強豪の愛工大名電高校に屈したが、1点差の惜敗。大前さんは被安打4の好投で、甲子園にその名を刻んだ。

 2年生の夏以降は甲子園に届かず、早稲田大に進学。将来を嘱望されたが、左肩を痛めてマウンドが遠のいた。4年生で野手に転向し、社会人野球のJR東日本で5年間プレー。14年に引退し、現在はJR池袋駅で駅員を務めている。

 高校卒業以来、母校は縁遠くなり、試合を観戦したことはほとんどなかった。今夏の兵庫大会で初の決勝進出を知り、インターネットの配信映像で見守った。

 延長に入り、再三の堅守でピンチをしのぐ後輩たち。大舞台で躍動する母校のユニホームに心が動いた。「ドキドキした。延長十四回のアウトを取った瞬間、心から喜びが湧いた」

 18年前、社高校の応援団はアルプス席に入りきらないほどに膨れ上がった。大観衆の中心に大前さんは立っていた。「あの大声援を受けて、社の持ち味を発揮してほしい」。旋風の再現を願う。(岩崎昂志)

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