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3月にオープンした貸別荘「ヌーク」の3店舗目。広い窓から、離島の沼島が浮かぶ紀伊水道を見下ろす=南あわじ市灘
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3月にオープンした貸別荘「ヌーク」の3店舗目。広い窓から、離島の沼島が浮かぶ紀伊水道を見下ろす=南あわじ市灘
10日にオープンする貸別荘「そらヴィラ海テラス南あわじ」=南あわじ市湊
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10日にオープンする貸別荘「そらヴィラ海テラス南あわじ」=南あわじ市湊
神戸新聞NEXT
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 兵庫県の淡路島内に1棟貸しの宿泊施設「貸別荘」が続々とできている。おしゃれで快適さを追求したプライベート空間が、コテージなどのアウトドア施設とも、ホテルや旅館とも異なり、老若男女を問わず人気という。空き物件を改装して開業した元会社員や、異分野から参入する企業も現れた。(西竹唯太朗)

 「予約は申し込み可能な半年先までほとんどいっぱい。ここまで受け入れられるとは」。南あわじ市灘土生(なだはぶ)で、2019年から貸別荘「ヌーク」を運営する大西和宏さん(34)が好調ぶりを説明する。

 もともと、出身地の京都府で金融機関に勤務していた。趣味の釣りで頻繁に訪れる淡路島で別荘が欲しくなり、土生港の近くで空き物件を見つけた。釣具店として使われていた3階建て。紀伊水道の絶景を前に、宿泊施設にする案を思い描いた。

 購入費と改修費で計約2500万円。「成功するか分からないので出費を抑え、景色の見せ方にこだわり抜いた」という。朝焼けが差し込む部屋の写真を自分で撮影して定期的に交流サイト(SNS)に投稿し、観光客を引きつけた。

 21年に洲本市内に2軒目、今年3月に再び灘地区内に3軒目をオープンした。人気の理由について、「京阪神からのリピーターが多い。メジャーな観光地より、あまり知られていない立地に特別感を求める宿泊者は多い」と語る。

 兵庫県洲本健康福祉事務所食品薬務衛生課によると、貸別荘の設置は旅館業法で主に「簡易宿所」として許可する。大型のホテルと旅館を除くほとんどの施設が含まれ、コテージやグランピングなどと区分はない。

 淡路島内の21年度末の簡易宿所数は224件で、16年度末の105件から5年で倍増した。県全体は21年度末に729件で、16年度末の578件から約2・5割増。淡路島の増え幅が目立つ。22年度もすでに20件以上の新規施設ができているという。

 同課の担当者は「貸別荘が増えているのは間違いない。17年の旅館業法の改正でフロントに人がいなくても許可できるようになったことが大きい。パソナグループの進出で淡路島が注目を浴び、新型コロナウイルス禍による貸し切り需要が高まるなどの要因が重なった」とみる。

 播磨灘に面した南あわじ市湊で8月にオープンする「そらヴィラ海テラス南あわじ」は、大阪市の住宅設備機器ネット販売会社リバイトが運営する。約6億円を投じ、約1900平方メートルの土地に大きさが異なる15棟を建設した。

 20年に土地を探した当初、自社の保養所をつくる予定だった。三上敏雄取締役執行役員(56)は「すでに淡路島内で貸別荘が増え始め、調べればどこの施設も平日も埋まる盛況ぶり。畑違いだが、新事業として勝算があると判断した」と話す。

 7月中旬に始めた予約の受け付けで8月の半分以上が埋まりつつあるといい、「最大の売りは播磨灘の眺望。周囲に同業者が少なく、施設の大きさを強みにしていきたい」と意気込む。

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