頻繁に報じられていた「不審な男」。だが神戸連続児童殺傷事件で逮捕されたのは14歳の中学生だった。その落差が社会を驚かせた。逮捕の翌日、1997年6月29日付の神戸新聞朝刊は「顔見知り 中3逮捕」「14歳の凶行に衝撃」と大見出しが張られた。
■風車マーク
「少年A」とかけ離れた犯人像が伝えられていた背景には、対メディアだけでなく、組織内部にも捜査内容を秘匿する情報管理があった。神戸地検で同事件の主任検事を務めた男性(69)=現在は弁護士=は、少年事件ゆえの報道対応の難しさを語った。
(殺害された)土師淳君の遺棄現場に残された挑戦文に、風車のようなマークがありました。あれは犯人しか知らないものとして「秘密中の秘密」と決めましたが、すぐに報道されてしまった。当時は、警察は警察庁まで、検察は最高検察庁まで報告が上がっていた。誰が漏らしたのか、という話になって。次席検事(地検ナンバー2)に「こんなんじゃ、やれません」と訴えました。取材が過熱し、帰宅する捜査官を目当てに、電柱ごとに記者が1人ずつ待つような状況でした。
地検の情報共有は、検事正(地検トップ)と次席、刑事部長と主任検事の4人に絞った。一方、兵庫県警で捜査の「本筋」を知るのは、幹部5人と一握りの捜査員のみ。数百人の捜査員は大半が知らされず、トップの県警本部長でさえ、直前まで報告を受けなかった。
核心の情報は全く漏れず、捜査の立場とすれば良かったんですが、マスコミが犯人捜しを始め、それが独り歩きしていきました。
■少年法61条
「黒い車」「黒い袋持つ不審者」-。当時の報道には、少年Aと結びつかない続報も散見された。神戸新聞も例外ではなかった。捜査過程で実際にあった目撃証言でも、結果的に多くがAとは関係がなかった。
報道によって「成人」の犯人像が、ある程度固まっていた。僕自身も成人と思っていた。ところが逮捕したら少年でしょ。その落差が一部の冤罪の主張につながるんです。14歳があんなことできるわけないと。
頭を悩ませたのは、名前や顔写真といった少年本人を推定できる報道(推知報道)を少年法61条が禁じているため、誤った報道内容であっても修正しにくいことだった。だが神戸地検は、事件の家裁送致時に記者会見を開き、動機を含む捜査結果を限定的に公表する。
成人だったら、公開の刑事裁判を通じて、それまでの報道を補正できる。しかし、少年審判は非公開です。この事件では誤った報道で、いわれのない中傷を受ける人もいました。
今年4月の少年法改正で、18歳、19歳の「特定少年」は、成人と同様に公開の刑事裁判で裁かれる可能性が高くなった。改正に賛否はあるが、法廷では多くの証拠が示され、報道内容を検証する機会にもなる。
(霍見真一郎)
【特集ページ】成人未満
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