■神戸地検の経験
その報告書は18枚にわたるという。
神戸連続児童殺傷事件に神戸地検が臨んだ足跡が、詳細に記されている。「少年A」を家裁に送致した後、事件で主任検事を務めた男性(69)=現在は弁護士=が、地検トップである検事正の指示で書いた。主任検事は、神戸地検の全検察官でつくる研究会で曲折を経た捜査過程を語り、全国の検察官会議でも発表した。検察組織が広く神戸地検の経験を共有した主眼は、逮捕された少年Aが、刑事罰を問えない年齢だった点にあるという。
検察官は、刑事裁判で犯罪の立証責任を担うんです。しかし、少年Aは当時、起訴できない年齢で、検察は積極的に関わらなくてもよかった。もちろん少年審判を開く家裁に対して、「この人が犯人です」という十分な証拠を与えないといけませんが、必ず警察が調書を作りますから。ただ結果的には検察もAを調べ、僕が担当しました。100時間以上は彼と向き合ったと思います。
1997年6月28日に、殺人などの疑いで逮捕された時点で「少年A」は14歳。神戸家裁に一括送致された時点でも15歳で、当時の少年法で刑罰の対象となる16歳に満たず、刑事裁判にかけるすべがなかった。つまり、この事件で検察の捜査には、法的な要請が強かったわけではなかった。しかし、逮捕前にとどまらず、起訴案件でないと分かっても検察は関与し続けた。
■1・5倍の調書
社会の関心がものすごく高かったからです。日本国民全員が捜査官みたいになって、なぜ14歳の少年がこんな事件を起こしたか、真相を知りたがっていた。それを解き明かす作業を誰かがやらないといけないとなれば、検察しかないとなったんです。
捜査官は調べで、客観的な証拠と、内心の情である動機の両方を見ます。人がやることには必ず理由があるから。例えば、立ち小便をしたある男を調べるとします。客観的に端から3本目の電柱で用を足していたならば、なぜ1本目でも2本目でも4本目でもなかったのか。取り調べで理由を尋ね、供述の信用性を高めていくのです。
刑罰に問えない少年の身柄を置く場所は悩んだ。14歳であれば当時、大半は少年鑑別所に身柄を移していた。ただ、取り調べに割ける時間に制約が出る。兵庫県警須磨署の留置場での拘束が裁判所に認められる経緯は、事件の報告書でも紙幅を割いて説明したという。
弁護団(付添人団)の猛烈な抗議を受けつつ、Aは7月25日に家裁に送致されるまでの1カ月弱を、警察の留置場で過ごした。主任検事は須磨署に通ってAを取り調べ、刑事裁判の「立証」ではなく、少年審判で「更生」を考えるための資料として調書を作り始めた。
検察官調書は、結果的に警察の1・5倍ほどの分量になりました。家裁は(違法な取り調べがあったとする)弁護団の主張に沿って警察官調書を証拠とみなさない決定をしたので、もし僕の調書がなければ、Aの供述が証拠として存在しない事態もありえたんです。
(霍見真一郎)
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