事件現場に挑戦状を残し、新聞社に犯行声明文を送り付ける。神戸連続児童殺傷事件で逮捕された「少年A」は、警察を挑発し続けた。だが、実はAが1歳でも若ければ、兵庫県警は彼を「逮捕」できなかった。
■当時の少年法は
Aは逮捕時は14歳。刑事責任を問える下限の年齢だった。もし13歳だったなら逮捕ではなく「保護」になり、当時は少年院にも送致できなかった。さらに、刑罰の対象年齢も16歳以上だったため、14歳は刑事裁判にかけられない。家裁の少年審判を経て保護処分が確実視されていた。すなわち、1997年当時の少年法で、14歳は刑事責任があっても、教育的措置で対応する年齢と位置付けていた。
そんな年少者を、検察官が連日取り調べるのは極めて異例だった。神戸地検で主任検事を務めた男性(69)=現在は弁護士=は、須磨署に通い続けた。通常は地検の庁舎内で調べるが、Aの年齢を考慮した。
未成熟な少年なので、なぜ事件を起こしたか、自分でも分からないところがあったはず。取り調べは、家裁の審判資料にすることを意識しました。供述がうそか本当かを見極める捜査じゃなかった。だから、私が納得できるまで追及したかというと、していない。捜査官に話した内容、それ自体が一つの資料になる。
この検察官調書の一部は、後に月刊誌「文芸春秋」に掲載された。過激派「革マル派」の活動家らが、神戸市内の病院から調書を盗んだとして事件にもなった。載った調書には、Aの「はっきり覚えていない」という発言や、矛盾した供述を「思い違い」などと語った様子が記されていた。刑事裁判での立証が目的ならば、「蛇足」とされかねない記述と言える。
■注意した「誘導」
調書っていうのはね、聞かないと取れないんです。自発的にしゃべるのを書くのではない。聞き方によって、答えは変わる。ただこの子が怖かったのは、頭が良すぎて、調べ官が何を欲しているのかを理解していた。相手が聞きたい、言ってもらいたいことを敏感に感じ取る力を持っていた。だから、誘導にならないよう質問には注意しました。
14歳の少年Aの手を握って始まった取り調べだったが、主任検事は、Aに心を寄り添わせたわけではなかった。
彼に感情移入をしたことはなかったね。調べ官によっては、全部聞き出した後、事務官に蕩々と語り口調で内容を伝える人もいますが、私はぶつ切りで聞いていきました。つまり、彼が犯行状況を話したら、いったん止めて事務官に伝えて調書を作り、「そのときの気持ちはどうでしたか」と聞いてまた伝える、という形です。だから彼が発した言葉に対して、私自身の気持ちが入る余地はなかったと思います。
少年Aは、長期にわたる取り調べを淡々とこなしていったように見えたという。途中で容疑を否認もしなければ、質問も拒まなかった。(霍見真一郎)
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