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トークショーでいじめ自殺予防を訴える寺脇研さん(右から2人目)と前川喜平さん(同3人目)ら=30日午後、神戸市立須磨区文化センター
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トークショーでいじめ自殺予防を訴える寺脇研さん(右から2人目)と前川喜平さん(同3人目)ら=30日午後、神戸市立須磨区文化センター

 夏休みが終わり、学校で新学期が本格的に始まるのに合わせて30日、文部科学省・元大臣官房審議官の寺脇研さんと、同省・元事務次官の前川喜平さんによる、子どもの自殺などをテーマにしたトークショーが神戸市須磨区で開かれた。夏休み明けは小中高校生の自殺が増えるとされ、2人は「身近な大人が子どもの変化に気付いてほしい」と呼びかけた。

 寺脇さん、前川さんは文科省退官後、在野で教育関係者との交流を続け、現場の情報収集や政治への提言などを続けている。トークショーは、2人が製作を企画した映画「子どもたちをよろしく」の上映会の一環で、教育関係者ら約30人が耳を傾けた。「子どもたち-」は中学生のいじめ自殺を切り口に、貧困、家庭問題など現代の子どもたちが直面する問題をテーマにしている。

 トークショーで寺脇さんは、ここ数年、高校生以下の自殺が増加傾向にあり、2020年は499人と過去最多だったことを説明。1986年に「葬式ごっこ」などのいじめを苦に男子中学生が自殺した事件を例に、「かつては衝撃的ないじめ報道をきっかけに急増する傾向にあったが、近年はそれらに関係なく増えている」とし、子どもたちを取り巻く問題が多様になっていることを指摘。子どもたちのサインを大人たちが見逃さないよう注意を促した。

 前川さんは「自殺の原因は複雑。映画では、いじめに加え父親のギャンブル依存症から崩壊した家庭、DV(ドメスティックバイオレンス)もテーマにした。学校、家、地域のどこにも居場所がない子どもたちは全国にいる。そんな現状を知ってほしい」と訴えた。

 またこの日は、大阪・西成の中学校で、多様な成育環境やルーツを持つ子どもに寄り添った教師の実話を基にした映画「かば」も上映された。(津谷治英)

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