関西、大阪(伊丹)、神戸空港の役割を官民で協議する「関西3空港懇談会」の次回会合が18日に開かれる見通しであることが8日、関係者への取材で分かった。3空港を運営する関西エアポートと神戸市は、神戸空港の国際化に向けてターミナルの拡充など具体的な検討を進めており、会合では国際線の就航について、大阪府・市など他の構成自治体や経済団体の合意を得たい考え。合意に至れば、開港した2006年以来の神戸市の悲願が実現に大きく近づく。
関係者によると、神戸空港の国際化の検討に当たっては出入国管理や検疫体制の充実、空港へのアクセス強化なども課題となっている。神戸の国際化を巡っては、これまで関空の機能強化を求める一部自治体などから反発も出ていたが、新型コロナウイルス禍からの経済回復や、25年大阪・関西万博を見据えてインバウンド(訪日客)を取り込む狙いから、次回会合では賛同を得られるとの見方もある。
3空港懇は大阪府・市と兵庫県、和歌山県、神戸市など関係自治体と経済団体などで構成。3空港の機能強化や規制緩和の在り方を議論しており、神戸空港の国際化については19年5月の会合で、「大阪・関西万博が開かれる25年ごろまで」の中期的な取り組みに位置付けられた。
当時はインバウンドの急増で関西全体の航空需要が増え、3空港懇では神戸空港の規制緩和でも合意。発着回数の上限は1日60回から80回に増え、夜間の運用時間も午後10時から11時まで1時間延長された。
その後は新型コロナ禍の影響もあり、懇談会の開催がずれ込むなどしたが、今年1月の前回会合で、関西エアと神戸市が共同で国際化の検討に取り組む方針が確認されていた。(田中陽一、名倉あかり)
【神戸空港】 神戸市が管理する地方空港として2006年2月に開港。関西空港の経営を圧迫しないよう、発着枠の上限は1日60便で国内線のみ、運用時間は午前7時~午後10時に制限された。規制緩和を目指す同市は、関西、大阪(伊丹)両空港を運営する関西エアポートなどへの運営権売却を決め、18年4月に3空港一体運用がスタート。19年に規制の一部緩和が実現した。現在の就航先は13路線で1日76便が運航されている。
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