秋の収穫期を迎えている国内で、イネの養分や果汁を吸うなど農作物に被害を及ぼすカメムシが近年大量発生している。今年も8月末までの農林水産省の集計で、兵庫など延べ35都道府県が農家向けの「カメムシ注意報」を出した。専門家は地球温暖化が背景にあるとして、今後もこの傾向が続く可能性が高いと指摘する。
「今年の被害はこれまでで最もひどい」。川崎市で良質のナシを生産してきた農家、川名徹さん(47)は、カメムシに果汁を吸われて凸凹ができたナシを手に、ため息をついた。
川名さんは「気候変動で気温が上がり、カメムシなどの病害虫が増えた」と実感している。
カメムシ注意報は(1)イネの養分を吸ってコメを変色させる「斑点米カメムシ類」(2)果汁などを吸う「果樹カメムシ類」-などに分けて出る。
農水省によると、今年の注意報は5月24日に香川県が果樹カメムシ類で発表したのが最初だった。過去10年の中で特に多いわけではないが、8月末までに、果樹カメムシ類の注意報は24都府県、斑点米カメムシ類は18道府県が発表、7府県は両注意報を出した。このほか、ダイズを狙う「吸実性カメムシ類」の注意報を山口県が発表。この10年で最多の個体数が確認された地域もある。
兵庫県病害虫防除所(加西市)は8月、果樹に被害を与えるチャバネ、ツヤアオ、クサギの果樹カメムシ類3種が多発しているとして、県内全域に注意報を出した。
同所によると、カメムシは隔年で発生が増減し、今年は多い「表年」。県立北部農業技術センター(朝来市)で7月1カ月間に誘引剤を使った調査では、チャバネアオカメムシの捕獲数が表年の過去4カ年平均の約5倍に上ったという。
強烈な臭いを出すことで知られるカメムシ。昆虫関連の学会などで構成する日本昆虫科学連合の元代表で、50年以上カメムシを研究する藤崎憲治・京都大名誉教授によると、日本には千種類以上のカメムシが生息し、うち農作物に被害をもたらすのは100種を超える。近年増加しており、「温暖化などが原因」とみている。
「イネ、野菜、果物、何でも対象のミナミアオカメムシはアフリカ原産だったが、温暖化の影響もあって世界中に広がった」と藤崎名誉教授。
共同通信が5~7月、気候変動が農作物に与えている影響について47都道府県に聞いた調査では、多くの自治体が高温によるカメムシの増加や、コメの被害・品質低下などに言及している。
藤崎名誉教授が日本の季節で最も大きい影響として指摘するのが冬だ。南方由来のカメムシは、高温化で冬を生き延びる個体が増えたという。
さらに、年間を通じて温暖化したことで(1)春以降の活動が活発になる(2)繁殖開始時期が早くなる-などの要素が重なっていると藤崎名誉教授。
「出荷できない農作物が増え、農家には死活問題だ。カメムシが嫌う黄色の蛍光灯や防虫網、農薬散布などを組み合わせて対策を講じる必要がある」と話している。
【斑点米カメムシ類と果樹カメムシ類】
どちらも長さ1センチほどのストロー状の口でイネの養分や果汁などを吸う。米粒を黒や茶色に変色させるクモヘリカメムシやアカヒゲホソミドリカスミカメなどの「斑点米カメムシ類」は、水田周辺の雑草に飛来。チャバネアオカメムシやツヤアオカメムシなどの「果樹カメムシ類」は主にスギやヒノキの球果を餌とするが、近年は果樹の被害が増えている。
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