プロレスブームをけん引し、参院議員も務めたアントニオ猪木(本名猪木寛至(かんじ))さんが心不全によって79歳で死去してから、15日で2週間となる。亡くなる10日前に撮影された動画が大きな反響を呼ぶなど、「燃える闘魂」の存在感の大きさが改めて表れている。
チャレンジ精神は最晩年でも変わらなかった。9月21日に撮影された映像が死去後、動画投稿サイト「ユーチューブ」に2回に分けてアップされた。難病「全身性アミロイドーシス」を患い、やせ細った猪木さんはベッドに横たわり「みんなに見てもらって、弱い俺を」と闘病の様子を隠さない。まだ活躍を望む声があると告げられると「この声が一番、俺の敵。でも敵がいる限りいいじゃないですか」とほほ笑み「人がやらないこと、できないことを全てやらせてもらった」と紡いだ。
「最期の言葉」のタイトルの1日配信分は、視聴数が820万回超。国内外から1万件以上集まったコメント欄には「『元気があればなんでもできる』。猪木さんは最後まで身をもってそれを証明してくれました」など感謝が寄せられた。
女子ゴルフの24歳、勝みなみは2日に日本女子オープンを制した際に猪木さんの名言「迷わず行けよ」を胸にプレーしたことを明かすなど、影響力は広い世代に及ぶ。
同志社女子大特任教授(社会心理学)でプロレスに関する著書を持つ諸井克英さんは、死に至る姿を公にしたことに「死に際しても『頑張れよ』のメッセージを伝えた。すごいこと。とかく後ろ向きになる社会で、みんな本当に力が欲しい。(猪木さんが)ポジティブに生きていたと人々は再整理した」と分析した。
一番弟子のレスラー、藤波辰爾(たつみ)さんは生前に「生きる」と題した直筆の詩を託された。「花が咲こうと咲くまいと生きていることが花なんだ」と記され、前に進み続けた猪木さんの思いがこもる。藤波さんが「ずっと心の中で生き続ける」と話すように、魂は幅広く受け継がれていきそうだ。
■死受け入れる覚悟、胸打つ
かつて文書で残していた遺言だが、現在は技術が進歩し、動画で残すことが可能になった。4月に45歳で他界した開業医・関本剛さんは、肉声で親しい友人へのあいさつを残した。「通夜、葬儀のあいさつは自分でしたかった」との希望を、具体的な形で実現。実際に告別式や別れの会で流された。
動画をユーチューブの神戸新聞チャンネルで紹介したところ、大きな反響があった。コメントも多く寄せられ、故人を知らなかった一般市民から医療従事者、がん患者と幅広い人々が、「励まされた」との声をつづった。
関本さんはがん患者の最期をみとる緩和ケア医。神戸市灘区のクリニックなどで、約千人の死と向き合った。だが、自らの死を受け入れるのには相当な葛藤があったことを著書で告白している。
肉声で別れを告げる。技術的には可能になっても、撮影に踏み切るには本人の覚悟が必要だ。それを後押しするのは、どれだけ長く生きたかではなく、どれだけ内容の濃い生を送ったかにあるように思う。(津谷治英)

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