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さまざまな体色が存在するニホンマムシ(ジャパン・スネークセンター提供)
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 登山やキャンプなど自然と触れあう機会が増える5~10月ごろはマムシなど毒ヘビによる被害が起きやすく、注意が必要だ。神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)の救命救急センターでは、2020年以降、マムシにかまれてけがをした患者の搬送が増加。同センターの松岡由典医長(40)は、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ「密を避けるアウトドアブームなどで、接触する機会が増えているのかも」と推察する。(小尾絵生)

 同センターが対応したマムシ被害の症例は、19年以前は年間2、3件程度だったという。だが20年7件、21年8件、22年は9月までに11件と、コロナ流行前と比べ急増した。

 今年の受け入れはいずれも神戸市内からで、大半が北区だった。農作業や登山、キャンプ中の被害が多いが、学校の部室で遭遇し、追い払おうとした教員がかまれた事例も。過去には、投稿用の動画撮影のためにマムシを持った4歳児が被害に遭ったケースもあったという。

 捕まえようとした際に手をかまれることが多く、肩のあたりまで腫れることも珍しくない。神経毒が回ると、物が二重に見える複視や、まぶたが下がる眼瞼下垂の症状が現れ、重症とされる。

 かまれてから数時間から72時間で腫れのピークを迎える。腫れの程度に応じて、必要な場合は抗毒素血清を投与して治療する。松岡医長は「かまれた場合、現場でできることはあまりない。安静を保ちながら速やかに医療機関を受診して」と話す。

 医療現場への助言なども行う日本蛇族学術研究所(群馬県)によると、50センチ以内に近寄らなければ、基本的に襲ってくることはなく、近づかないのが一番の方策という。気付かずに踏んで脚をかまれることも多く、屋外では注意が必要だ。

 同研究所の吉村憲さん(37)は「ヘビの種類や毒の有無を見極めるのはかなり難しく、興味本位で手を出すのはやめて。種類によって血清も違うため、かまれた時には可能なら写真を撮って」と助言する。

 同研究所が運営する日本で唯一のヘビ専門展示施設「ジャパン・スネークセンター」のホームページでは、かまれた時の対応や相談先を案内する「毒ヘビ110」を掲載している。

     ◇

■注意が必要な毒ヘビ、マムシだけじゃない

 マムシと並んで注意が必要な毒ヘビに、ヤマカガシがいる。マムシと比べると毒性が強く、毒が体内に入ると死の危険にさらされる。重症例は全国で年間1、2件程度だが、9月下旬には、兵庫県宍粟市で男性がかまれ重症となった。

 ヤマカガシは山中や水辺などに生息。毒牙は上顎の奥にあり、浅くかまれた時には毒が入らないこともある。そのため「毒のないヘビ」と勘違いされることも多いという。臆病なため、人間から近寄らなければ攻撃してこない。

 9月25日には宍粟市の山林で、男子高校生(16)がつかまえようとした際に手をかまれた。振り払っても離れず、3分ほどかまれ続けたという。手が腫れ、血が止まらないため同市内の公立宍粟総合病院を受診した。

 高校生は「アオダイショウにかまれた」と説明していたが、血液の凝固に関わる成分が異常な低数値だったため同病院外科の渡部晃大副部長(35)は毒ヘビと判断。「出血を起こすと血が止まらなくなるため、危険な状態だった」と振り返る。東京から取り寄せた専用の抗毒素血清の投与で回復したという。

 県内では、2017年にも伊丹市に住む当時小学5年の児童がかばんに入れたヤマカガシに複数回かまれ、一時意識不明となった事例もある。

 ヤマカガシの抗毒素血清をとりまとめる聖路加国際病院(東京都)救急部の一二三亨医長(44)は「傷口を見ただけでは状態の危険度は判断できない。近年も死亡例があり、かまれた時は受診を」と呼びかける。(小尾絵生)

神戸西播
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