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朝ドラ「舞いあがれ!」で、福原遥さん演じるヒロインが旅客機の操縦室に座るシーン。神戸の体験施設で撮影があった(NHK提供)
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朝ドラ「舞いあがれ!」で、福原遥さん演じるヒロインが旅客機の操縦室に座るシーン。神戸の体験施設で撮影があった(NHK提供)
ボーイング737のフライトシミュレーターに座る伊藤世一社長。この操縦席で、朝ドラ「舞いあがれ!」第1話の冒頭シーンが撮影された=神戸市長田区神楽町2、「テクノバード」
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ボーイング737のフライトシミュレーターに座る伊藤世一社長。この操縦席で、朝ドラ「舞いあがれ!」第1話の冒頭シーンが撮影された=神戸市長田区神楽町2、「テクノバード」
旅客機の客室で幼少期のヒロインと家族が談笑するシーンは、豊岡市のコウノトリ但馬空港の展示機内で撮影した(NHK提供)
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旅客機の客室で幼少期のヒロインと家族が談笑するシーンは、豊岡市のコウノトリ但馬空港の展示機内で撮影した(NHK提供)

 10月に始まったNHK朝ドラ「舞いあがれ!」。その第1話冒頭、福原遥さん演じるヒロイン岩倉舞が旅客機の操縦室に座るシーンは、実は神戸市長田区のあるビルの中で撮影された。複雑な計器やスイッチ、レバーが並ぶコックピットは関西では珍しい、本格的なフライトシミュレーター施設。そこは誰でも舞ちゃんのようにパイロットになれるという。(金 慶順)

 JR新長田駅から徒歩10分、靴工場や食品工場などが立つ下町エリアに、フライトシミュレーター施設「テクノバード」はある。コーティング加工会社「テクノフローワン」を経営する伊藤世一(せいいち)社長(60)が2017年、抑えきれない「飛行機愛」から運営会社を立ち上げた。

 ここで体験できるのはジェット旅客機「ボーイング737」と、プロペラ機「セスナ172」「G58バロン」の3種類。自社ビルの5階フロアに、特注のシミュレーターを並べた。

 利用者は機長席に座って、滑走路に入るところから離陸、飛行、着陸まで全てを体験できる。隣に座るスタッフはみな事業用ライセンスを持ち、航空会社などへの就職を志しているため、アテンドはばっちりだ。エンジンの起動、ギア(車輪)の出し入れやブレーキ、シートベルト着脱のサインの出し方…。複雑な手順を一つ一つ丁寧に教えてくれる。

 NHK大阪放送局によると、首都圏にはあちこちにフライトシミュレーターがあるが、関西では少ないため、テクノバードをロケ地として選んだという。

 伊藤社長によると、朝ドラの撮影で福原さんが座ったのは、ボーイングの機長席。実際に放送された時間は5秒ほどだが、準備も含めて撮影は5時間かかったそうだ。

 伊藤社長もかつてパイロットを志したが、家業を継ぐため断念したという。だが経営学を学ぶため留学したアメリカで、自家用ライセンスを取得したほどの飛行機好きだ。数十年ぶりに朝ドラを見て、自身の夢を福原さんがかなえてくれたことを喜ぶ。「これをきっかけに飛行機や航空業界に興味を持つ人が増えてほしい」

 オープンから5年半。飛行機マニアや昔パイロットになりたかった人、パイロットになりたい子どもの親など、利用者はリピーターも多い。結婚記念日や誕生日などのプレゼントとして訪れるケースもあるそうだ。一方で、現役の機長が家族と一緒に訪れたり、パイロットや管制官でつくるグループが勉強会を開いたり、現職も認めるシミュレーターだという。

     ◇     ◇

 ところで同じ第1話、飛行機内で幼少期の舞役の浅田芭路(はろ)さんや母親役の永作博美さん、父親役の高橋克典さんらが談笑する客室シーンの方は、どこで撮影されたのだろう?

 実はこちらのロケ地も兵庫県だった。ピンクとブルーの座席シートが目を引くのは、豊岡市のコウノトリ但馬空港にある展示用プロペラ機「YS-11」の客室だ。

 同空港を運営する「但馬空港ターミナル」によると、機体は航空会社から寄贈されて1999年から展示しており、普段は内部が非公開。同社は「引退した古い機体ですが、朝ドラでは新品のようにきれいに映っていましたね」と喜ぶ。

 テクノバードの伊藤社長は「コックピットはボーイングだけど客室はプロペラ機。飛行機マニアの方は、その違いに気付いたかもしれませんね」と楽しそうに話していた。

 テクノバードは月曜定休。利用料金はボーイング30分1万1千円、セスナ30分6600円から。お得な初回体験コースもある。同施設TEL078・786・3028

神戸但馬
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