今春、神戸市西区に完成した人工芝グラウンド「バサラヴィレッジグリーン(BVG)」に企業が関心を寄せている。地下にためた雨水を利活用して高温化を防ぐ環境配慮型のシステムに、甲子園球場の整備で知られる阪神園芸(兵庫県西宮市)と島津製作所(京都市)が注目。今はサッカー施設として使われているが、都市緑化や他の競技に用途を広げられないか、BVGの運営法人の提案で共同研究が始まった。(有島弘記)
■天然芝の育成に挑戦
9月30日、BVG敷地内にある天然芝の広場。天然芝でもシステムが機能するのかを確かめるため、重機を入れ、一部を掘削していた。作業するのは阪神園芸の従業員たち。貯水スペースとなるパレットを敷き詰められるように、「神整備」でおなじみのトンボなどを使って整地していた。
「日本の風土にどれだけ合うか」。同社スポーツ施設部の萬浪広士課長(47)は研究の鍵に気候を挙げる。天然芝の育成実績はこのシステムの製造元があるオランダなどに限られ、同社は日本の高温多湿な夏をはじめ、年間を通じて未掘削部分の天然芝と生育の違いを比べる。BVGの芝生広場は緩やかな傾斜地になっており、場所によってパレット上に敷く砂の量が変わるため、育ちやすい厚みも調べる。
萬浪課長はBVGのシステムを「画期的で、将来的に期待できる技術」と話す。雨水をためるには地下にタンクを埋めるのが一般的だが、厚さ8・5センチほどのパレットであれば芝生の下地としてそのまま使える。構造上掘り下げられない屋上緑化などに応用できる可能性があるという。
■グリーンインフラ
BVGは元サッカー日本代表FW岡崎慎司(36)=シントトロイデン、宝塚市出身=ら滝川第二高校サッカー部のOBらでつくる一般社団法人「マイスター」(神戸市西区)が整備した。システムは国内初導入で、自然環境が持つ多様な機能を再現する「グリーンインフラ」の考えに基づく。
夏場の人工芝は熱しやすいため、芝の下にためた雨の水蒸気を使って表面温度を下げる。自然現象の蒸発を利用するため、電力は不要。パレットは硬質プラスチックを再利用し、他の部材も天然鉱物由来の素材を使うなど環境に優しい。
まさに、国内外で注目される持続可能な開発目標(SDGs)の実践。その姿勢に阪神園芸と島津製作所が共感した。
■ラグビーに耐えるか
島津製作所は8月、BVGの人工芝の負荷テストに協力した。同社には関西ラグビー協会主催のトップウエストAリーグで戦うラグビー部がある。サッカーよりも踏ん張るプレーが多い競技に耐えられるのか、大柄なFW陣がスクラムやモールなどを試した。
「スパイクがきっちり芝をかんでいた」。ラグビー部編成担当の三ツ松昭彦さん(52)の目には問題なく映った。自身も練習に参加した富山勝由コーチ(40)は「高温の人工芝だと鉄製のスパイクの歯が熱を持って履いていられないことがあるが、ここは全然違った」と効果を実感していた。
製造元のオランダ企業にはサッカーの負荷データしかないため、同社とマイスターは今後、ラグビー選手たちの生の声を分析し、用途拡大の可能性を探る。
◇ ◇
マイスターの取り組みは電子版「神戸新聞NEXT」で紹介しています。
【特集ページ】岡崎慎司×兵庫 サッカーでまちおこし
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