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ノートパソコンを手に映写機を操作する洲本オリオンの野口仁支配人=洲本市本町5
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ノートパソコンを手に映写機を操作する洲本オリオンの野口仁支配人=洲本市本町5
洲本オリオンの外観=洲本市本町5(パノラマモードで撮影)
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洲本オリオンの外観=洲本市本町5(パノラマモードで撮影)
人気俳優が舞台あいさつに訪れ満員となった館内=4月17日、洲本市本町5「洲本オリオン」
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人気俳優が舞台あいさつに訪れ満員となった館内=4月17日、洲本市本町5「洲本オリオン」

 淡路島唯一の映画館「洲本オリオン」(兵庫県洲本市)で今年4月、約100席が満員になった。観客の目当ては舞台あいさつした2人の人気俳優。野口仁支配人(55)が「島にこんなに多くの若者がいたとは」と驚く熱気だった。実は映画館としては2013年に休館した。にもかかわらず、10年たった今も定期的に上映があり、一定数のファンが足を運ぶ。オリオンは生き続ける。その訳は-。(内田世紀)

 小規模映画館は2000年代以降、減少を続ける。コミュニティシネマセンター(東京)によると、21年の兵庫県内の小規模映画館は14館。10年で5館が閉館した。但馬地域で唯一の映画館だった豊岡劇場(豊岡市元町)は今年8月末で休館し、住民らが再開を模索している。

 野口さんによると、淡路島ではピーク時に17館の映画館があったが、テレビやビデオの普及などで姿を消した。ここ数年、新型コロナウイルス禍や動画配信サービスの普及により、厳しさが増しているという。

 洲本オリオンは戦前の浄瑠璃小屋がルーツ。芝居小屋を経て1951年に洋画専門映画館としてスタートした。淡路島出身の作詞家阿久悠(あくゆう)さんも通ったという。2002年から島内唯一の映画館となり、野口さんと両親の3人で切り盛りした。11年に3D映像も扱えるデジタル映写機を導入したが客足は回復せず、13年10月に休館した。

 すると14年、「映画館で映画を見たい」と望む住民が自主上映サークル「島の映画やさん」をつくった。「アナと雪の女王」など幅広い年代が楽しめる作品を選び、教育委員会を通じて学校でチラシを配るなど集客に努めた。

 「映画が生活の一部だった頃の情緒がオリオンには残っている。続ける価値がある」と同サークルの山口賀生(よしき)代表(38)は話す。回数は減ったが、現在も上映を続ける。別に複数の自主上映グループも発足し、活動している。

 15年には、限定的にロードショーも復活。きっかけは全編淡路島ロケの映画「種まく旅人-くにうみの郷(さと)」だった。島内でロケを行う作品が増え、上映継続の追い風になった。誘致に取り組む淡路島フィルムオフィスのコーディネーター津守会美さん(46)によると、06年に6件だった島内ロケは18年に34件に急増。その後も年間30件を維持する。海が見えるスポットが人気といい、「都市部の近くに優れた景観があることが再評価された。オリオンは撮影スタッフにも好かれている」と話す。

 監督や出演者の舞台あいさつが増え、「種まく-」では主演俳優の栗山千明さんが登壇した。今年4月に上映した「ニワトリ☆フェニックス」では、ミニシアターを支援する俳優の井浦新さん、成田凌さんが訪れ、「大きなスクリーンで映画を見て」と呼びかけた。

 9月は、オリオンが協力する洲本の野外映画イベント「うみぞら映画祭」に合わせ、淡路市出身の俳優笹野高史さんが訪れた。少年時代に亡くした母と通った思い出の場所といい、「残っていることがうれしい」としみじみと語った。

 「毎月のように上映を続けているなんて、10年前は想像できなかった」と野口さん。「映画を愛する人たちの情熱があったからこそ。小さな映画館にできることを続けたい」と話す。

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