長い青竹の先に付いた提灯が、激しくぶつかり合う。兵庫県姫路市網干区宮内、魚吹八幡神社の秋季例祭が21日、宵宮を迎え、名物の「提灯練り」が3年ぶりに披露された。
氏子の規模では兵庫県内最大規模で、県の重要無形民俗文化財にも指定されている。2020、21年は新型コロナウイルスの影響で両年とも神事のみだった。
提灯練りは、神社からお旅所に向かう神輿を、氏子が提灯で照らしたのが由来とされ、現在は7地区が継承している。
午後7時ごろ、まわしや法被姿の男たちが神社前に駆け込み、竹で地面を打ち鳴らし、跳びはねて気勢を上げた。男たちが頭上で提灯を何度も打ち合うと跡形もなくはじけ、竹が割れる乾いた音が響いた。先陣を切った平松地区役員の森脇憂さん(39)は「3年分のエネルギーが爆発した。最高の気分」と充実した表情だった。
本宮の22日は、屋台や神輿などの宮入りがある。(井上 駿)