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ヴィクトリーナ姫路を盛り上げる独自企画を発表した学生たち=神戸市長田区、神戸常盤アリーナ
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ヴィクトリーナ姫路を盛り上げる独自企画を発表した学生たち=神戸市長田区、神戸常盤アリーナ
オンライン会議で、学生に助言するヴィクトリーナ姫路の関口博之ホームゲーム運営部長(右)
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オンライン会議で、学生に助言するヴィクトリーナ姫路の関口博之ホームゲーム運営部長(右)

 若者の発想をプロスポーツ活性化の力に-。兵庫県姫路市に拠点を置くバレーボールVリーグ1部(V1)女子のヴィクトリーナ姫路が、今夏から初めて「スポーツビジネスコンテスト」を開いている。県内の学生約70人が参加し、各班が4万円の予算内で商品開発やイベントの企画を実践に結びつける。チームなどからの助言も受け、12月中旬の最終発表に向けた学生の取り組みが熱を帯びている。(井川朋宏)

 「姫路をバレーボールの聖地にする基盤づくりをしたい」「選手個人への注目を集め、チームをより深く知ってほしい」

 9月下旬に神戸市内であった企画プレゼン大会では10班の代表者が各10分で発表した。企画に参加するのは、兵庫県立大や関西学院大、関西福祉大など県内の10大学・高専。同じ大学のゼミ単位から各校の混成までさまざまだ。

 同様のコンテストは昨年10月~今年2月、大阪市と地元プロチームが連携する「舞洲プロジェクト」の一環で、バスケットボールBリーグ1部(B1)の大阪エヴェッサが行った。実践を予定した2月のB1の試合は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止となったが、参加した大阪の学生約50人のうち、9割以上が自身の成長を実感したという。

 これを知ったヴィクトリーナ姫路がコンテストを導入した。2016年に発足したチームはV1昇格後3季目の昨季、11位でV2との入れ替え戦の末に残留。ファンの掘り起こしやファンクラブの加入促進といった課題を挙げている。

 コンテストでは、たつの市に拠点がある化学品メーカー、ナガセケムテックス(大阪市)の協賛を得て、学生の優勝チームへの賞金50万円など総額100万円を用意。大阪エヴェッサのコンテストに続き、運営に関わるヴィクトリーナ姫路の経営戦略アドバイザー上原光徳さん(61)は「学生の企画は至る所であるが、実践に移すのがみそ。社会人としての力を身に付ける機会になる」と語る。

 学生の各班から出たアイデアは、試合会場で来場者が垂直跳びをして高さを測る「ジャンピングチャレンジ」のほか、地元商店街との飲食物の共同開発や食べ歩きマップ作成など。方向性は良くても準備が間に合わなかったり、利益が見込まれなかったりする提案は見直しを求められる。

 10月1日にはチームから各班に助言するオンライン会議があり、目的とゴールの設定、効果の測定や収支計画に関する指摘が目立った。ファンクラブ会員の拡大に向けては「仮に千人の会員を3千人に増やそうと思ったら、何人にアプローチをかけたらいいか」と投げかける場面があった。

 学生たちも懸命に頭をひねっている。大学混成の女子5人の班「ヴィーナス」は集客力向上を目指し、当初、選手らの似顔絵の募集を企画した。だが実践日の試合当日に小学生のバレーボール大会が重なるため、方向性を再検討。10月中旬から週2、3回に頻度を増やし、夜に1~2時間のオンライン会議を続けている。

 メンバーの一人で、スポーツ業界に興味があるという神戸学院大3年、丸高麗愛(れいあ)さん(21)=姫路市=は「企画案はたくさん出ても、ビジネスにつなげて実現する難しさを痛感している。来場者だけでなく、チーム、スポンサーなどいろんな立場の人にとってメリットを生む方法を考え、企画を成し遂げたい」と語る。コンテストは、23年度以降の継続も検討しているという。

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