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尼崎市長選の立候補予定者の話に耳を傾ける生徒ら=尼崎市上ノ島町1、市立尼崎高校(撮影・斎藤雅志)
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尼崎市長選の立候補予定者の話に耳を傾ける生徒ら=尼崎市上ノ島町1、市立尼崎高校(撮影・斎藤雅志)
尼崎市長選の立候補予定者の話に耳を傾ける生徒ら=尼崎市上ノ島町1、市立尼崎高校(撮影・斎藤雅志)
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尼崎市長選の立候補予定者の話に耳を傾ける生徒ら=尼崎市上ノ島町1、市立尼崎高校(撮影・斎藤雅志)

 リーダーを決める兵庫県尼崎市長選(13日告示、20日投開票)を前に、高校生がまちの将来を問う「市長選ミーティング」が市内の高校3校であった。生徒が投げかけた質問に、立候補予定者が約束したこととは-。

 神戸新聞社が市立尼崎、兵庫県立尼崎小田、県立尼崎の3高校で開催。立候補を表明している社会福祉理事長で日本維新の会公認の大原隼人氏(44)と、同市の前教育長で無所属の松本真氏(43)が応じた。

◆治安が悪いイメージをどう払拭するか?

 市内の刑法犯認知件数はここ数年で減少しているが、なかなかイメージが良くならない。どうしますか。

 大原氏 イメージを変えるために新たなシンボルが必要だと思う。大阪万博の会場と尼崎をロープウエーで結びたい。観光や交通機関として役割を果たせる。

 松本氏 この10年で認知件数は6割減で、暴力団事務所をなくす取り組みもしている。ひったくりや落書きなどからなくし、犯罪を起こしにくいまちにする。

◆いじめや体罰の問題にどう対応する?

 市内の学校では近年、いじめや体罰問題が表面化した。再発防止が進んでいるが、どう取り組むか。

 大原氏 いじめも体罰も絶対にあってはならない。愛なのか、暴力なのか、皆さんがしっかり考えてほしい。答えは一つじゃないと思っている。

 松本氏 体罰は厳しく対処する。いじめは、なかなかなくならない。相談できる環境や、「おかしい」と誰でも声を上げられる学校の文化をつくりたい。

◆コロナ対応は?

 3年生はコロナ禍の中で入学し、自由のない高校生活を送ってきた。どう対応するか。

 大原氏 運営する保育園でも、いつどうなるか分からない状況が続いていた。市長には多くの権限がある。危機の時にリーダーシップを発揮し、コロナ対策で責任を取るのが本当の市長だと思う。

 松本氏 かつて学校が休校になり、でも大人は働いているあべこべの状況があった。子どもの自由がないのは問題だと思っていた。大人が外で生活しているのと同じ条件で、学校生活が送れるように応援したい。

◆学生の貧困にどう対処?

 お金がないという理由で進学を諦める高校生がいる。支援する考えはあるか。

 大原氏 なかなか難しい。支援は必要だと思う。基金を創設している企業との橋渡しはできる。例えば、看護師になるため大学に行きたいのなら、市内の病院でアルバイトして、そこから奨学金を受ける仕組みを民間につくってもらう。個々にはお金ではなく、機会を提供したい。

 松本氏 市と県、国のそれぞれで仕事を考えなくてはいけない。市でやるべきことは、市民の生活を支えていくこと。市では保育園や幼稚園、小中学校の支援をきっちりした上で、大学については困っている人がいることを国に届けて、支援を強化してもらう。国を動かす仕事がしたい。

◆バリアーだらけのまちをどうにかして

 脚をけがして車いす生活になり、道路に段差が多いことに気付いた。バリアフリーの考えを教えて。

 大原氏 市が管理する市道や、それ以外の私道などでも条例をつくって規制していくことはできると思う。5年後、10年後のまちづくりを見据えて、当事者の意見を聞いていきたい。

 松本氏 市の仕事は、幅広い世代が生活しやすい環境を整えること。健康な時には気付かないことも多いので、障害者や高齢者の方から声を聞き、対応し続けることが重要だと思う。

◆災害時に要援護者支援がパンクするのでは?

 尼崎市内では民間の福祉施設などを福祉避難所にする協定の締結が進む。でも元々の利用者もいて受け入れには限界がある。支援をどう拡充するか。

 大原氏 避難所でのトリアージ態勢を整えなくてはいけない。避難予定者を登録制にし、普段から福祉施設と連携訓練をしておく必要がある。近隣の市町とも連携した多角的な取り組みや、県、国との関係も重要。避難先では市外に働きに出ている大人よりも、地域にいる中高生の力が発揮される。そうした橋渡しも、していきたい。

 松本氏 福祉避難所は少ないので充実していかなくてはいけない。既存の福祉施設と協定を結ばないといけないので、大災害時は受け入れの限界がある。あらゆる公共施設に避難を想定した設備を準備しておくことが大事。段ボールベッドや障害者用のトイレ、冷暖房を準備するなど、そういうことを考えて公共施設の設計を考えていく。

◆高齢者の健康寿命をどう伸ばす?

 高齢化が進み、健康寿命をどう伸ばすかは、社会保障の面からも重要となっている。経済力に関係なく、気軽に運動できる場所をもっとつくるべきでは。

 大原氏 多目的に使える公園は増やしていく方向になる。発想を転換すると、(インターネット上の仮想空間)メタバースやアバター(分身)など高齢者福祉に使える。足が不自由になって、在宅でもつながれる仕組みを取り入れていくべきだ。寝たきりの原因にもなる骨折を防ぐため、転倒しないまちを目標にする。

 松本氏 市内6地区ごとに体育館があり、公園が多い。ほかにも社会福祉会館やコミュニティーセンターがあり、高齢者が体操など活動している。ニーズに合わせた居場所づくりに力を入れたい。スポーツクラブなど民間サービスの利用者に対して市が補助を行い、負担を減らす工夫をしていくことは大事だと思う。

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