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「はい、あだちー」の合言葉で集合写真を撮影する足立さんら=丹波市青垣町山垣
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「はい、あだちー」の合言葉で集合写真を撮影する足立さんら=丹波市青垣町山垣
足立姓にまつわる展示もあった「全国の足立さん集まれ祭り」の会場=丹波市青垣町山垣
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足立姓にまつわる展示もあった「全国の足立さん集まれ祭り」の会場=丹波市青垣町山垣
NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のメインテーマを演奏する中高生たち=丹波市青垣町山垣
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NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のメインテーマを演奏する中高生たち=丹波市青垣町山垣
オリジナル曲「希望(あだち)の歌」を披露するソプラノ歌手の足立さつきさんと作曲家の足立知謙さん=丹波市青垣町山垣
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オリジナル曲「希望(あだち)の歌」を披露するソプラノ歌手の足立さつきさんと作曲家の足立知謙さん=丹波市青垣町山垣
全国の足立さんたちによるリモート座談会=丹波市青垣町山垣
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全国の足立さんたちによるリモート座談会=丹波市青垣町山垣

 「全国の足立さん集まれ」の号令の下、足立姓の人たちが集い、足立姓であることを祝福し合う-。そんな「足立賛歌」とも言うべきイベントが13日、足立姓の多い兵庫県丹波市で開かれた。リモート座談会やプロ音楽家のコンサート、集合写真の撮影などがあり、大勢の足立さんが、出演者、裏方、観覧客などさまざまな立場で参加。山あいの旧小学校舎を会場に、足立ワールドが出現した。

■ルーツは13世紀に

 同市の遠阪自治協議会と有志の実行委員会が初めて開催した「全国の足立さん集まれ祭り」。会場となったのが、栗や小豆の産地として知られる丹波市でも北端に位置する青垣町遠阪地区だ。

 住民の足立率の高さから、地元では「6割が足立姓」とも伝えられている。ルーツは13世紀前半に関東から赴任した地頭、足立遠政にさかのぼるとされる。武家としての足立姓はこの地を約350年間治めた後、16世紀後半に織田信長の丹波攻めで滅んだが、子孫は農民になって生き残ったという。

 そんな地域で今年、「遠政熱」が急上昇。きっかけは、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」だった。鎌倉幕府樹立の経緯が描かれる中で、遠政の祖父、足立遠元が登場したのだ。4月に地元有志13人(うち10人が足立姓)が祭りの実行委員会を設立し、半年かけて準備してきた。

 祭り当日、受け付けで名前を記帳した一般来場者は計228人。遠くは首都圏からの来場もあった。来場者の「足立率」は驚きの52・6%に達したが、祭りのプログラムは輪をかけて足立一色だった。

■足立さんだらけ、あの俳優も

 祭りは午前10時に開幕。司会の足立沙織さん(30)の紹介で、実行委員長の足立喜信さん(66)が「一日楽しんで、足立を盛り上げて」とあいさつした。続いて、イメージキャラクター「遠政くん」を考案した地元・氷上西高校3年、足立愛莉さん(17)らに感謝状が贈られた。

 中高生の吹奏楽部員たちによる「鎌倉殿の13人」メインテーマ演奏の後は、全国各地の足立さん8人と会場をリモートでつないだ座談会。大河ドラマで遠元を演じた俳優大野泰広さんも福岡県のホテルからリモートで出演し、ドラマをPRした。

 会場からは、いずれも地元住民の足立晃一郎さん(69)▽足立歳勝さん(74)▽足立はるみさん(63)が参加。「関東では足立は珍しい」など姓にまつわる話題で盛り上がった。また、地域の歴史に詳しいパネリストとして、先祖が約200年前に足立姓から改姓した平岩泰典さん(43)が、足立姓の歴史を解説した。

 午後の部の目玉は、いずれも丹波市出身のソプラノ歌手の足立さつきさんと、作曲家でピアノ奏者の足立知謙さんのコンサート。2人は「地元なのでいつもより緊張する」と談笑を交えながら、知謙さんが作曲した「希望の歌」などを披露した。

 最後は会場にいる足立さんらで写真撮影。シャッターを切る瞬間、全員で「はい、あだちー」を合言葉に笑顔をつくった。実行委の一人は「足立で良かった」とこぼした。

■「足立あるある」

 来場者の半分を足立が占める会場では、「遠阪地区では石を投げれば足立に当たる」「名字を呼ばれても、他に足立さんがいるかもと思い、すぐに反応しない」「名字で呼ばれることがまずない」など、さまざまな「足立あるある」が聞かれた。

 「学校のテスト返却の時に先生が『足立さーん』って呼ぶと、(足立姓の人)全員が立っちゃう」と話すのは、地元・青垣小学校3年、足立寛太君(9)。母親の幸子さん(46)は同姓同名が多いため、「山垣の幸子さん」と、住所を名字代わりに呼ばれることがある。

 青垣小3年の足立桃哉君(9)は所属する野球チームの半数ほどが同姓で、「仲間が一杯でうれしい」と笑顔。同市春日町の足立孝さん(82)は「はんこを持っていくのを忘れた時は、その場にいる足立さんからよく貸してもらって押してたな」と、ささやかな利点を明かす。

 会場近くに住む足立亜緒衣さん(37)は結婚して足立姓になったが、「なってみると、みんな親戚感がある」とほほ笑む。同市春日町の足立旭さん(37)は「『足立』は自分のアイデンティティー。(祭りへの参加を機に)あらためて胸張って生きていきたい」と話した。

 コンサートでオリジナル曲を披露した足立知謙さんは「『先人がいて今がある』という気持ちを共有したくて曲を作った。古里の皆で集まることができて感無量です」と感慨深げに語った。

■足立の縁で街を元気に

 足立姓の多い丹波市青垣町は、市内でも少子高齢化が著しい。「祭り」の開催には、足立姓の多さという特色を生かし、地域を盛り上げる狙いがあった。

 遠阪自治協議会で会長を務める山本正司さん(72)は「祭りを準備する中で、足立姓以外の人を含め、地域全体が盛り上がった。私は足立姓ではないが、自分のルーツを大切にする気持ちは同じ」と強調する。

 足立喜信実行委員長は「足立姓にゆかりのある東京の足立区やさいたま市などにつながりもできた。これを生かし、遠阪の魅力を発信していきたい」と話す。来年の開催も前向きに検討しているという。(那谷享平、谷口夏乃)

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