兵庫県内最大の古墳である五色塚(ごしきづか)古墳(神戸市垂水区)と、16キロ西にある幣塚(ぬさづか)古墳(明石市魚住町)で出土した埴輪(はにわ)の産地が同じとみられることが分かった。専門家が原料の土を分析し、含まれる成分の量がほぼ一致した。両古墳の埴輪は形が酷似しており、かねてつながりを指摘されてきたが、そのことが科学的に裏付けられた。それぞれの古墳の被葬者同士も密接な関係があるとみられ、その人物像や勢力の実態に迫るための手がかりが得られた。(長尾亮太)
両古墳の埴輪は、ひれ状の突出部があるなど形に共通点があり、同じ規格で作られたと考えられてきた。
今回の調査は各古墳の埴輪の関係性を調べようと、明石市が中園聡・鹿児島国際大教授に依頼した。「胎土(たいど)分析」と呼ばれる手法で、採取した1グラムほどを粉砕し、圧力をかけて直径2センチほどのコイン状に加工。続いて装置に入れ、平らになった表面に角度を変えながらエックス線を照射すると、はね返る蛍光エックス線の量に応じ、元素ごとの含有量が分かるという。
五色塚古墳からそれぞれ約900メートル西にある舞子浜遺跡(神戸市垂水区)、10キロ東にあった念仏山古墳(同市長田区)の埴輪も一緒に分析したところ、これらが「かなり自信を持って同じ産地と言える」(中園教授)との結果を得た。
一方で、4世紀初めに築かれた旧明石郡最古の前方後円墳である白水瓢塚(しらみずひさごづか)古墳(神戸市西区)と、5世紀初めの吉田王塚古墳(同)の埴輪は、五色塚のものとは成分量が明らかに違うことも分かった。
立てられた埴輪の数は、幣塚古墳が数十個規模とみられるのに対し、五色塚古墳は2200個と推定されて桁違いに多い。春成秀爾(はるなりひでじ)・国立歴史民俗博物館名誉教授は「製作者が幣塚古墳などで作ったのではなく、五色塚古墳の近くでまとめて生産し、それらを各古墳まで運んだと考えられる」と話す。
さらに「2千トンに上る葺石(ふきいし)を淡路島から船で運ばせるほど力を持っていた五色塚古墳の被葬者と、幣塚古墳などの被葬者の間にどんな関係があったかを推定するための科学的な証拠を得られた」と胎土分析の成果を強調した。
【五色塚(ごしきづか)古墳】神戸市垂水区で4世紀後半に築かれた全長194メートルの前方後円墳。同じ時期の大王墳とみられる奈良市の佐紀陵山(さきみささぎやま)古墳=全長207メートル=に匹敵する大きさ。明石-須磨間の海岸線が最も南へ突き出た場所に築かれた。墳丘の上段と中段に葺(ふ)いた石(推定2278トン)の産地は淡路島北部のものとみられ、「播磨の赤石に山陵を建てた。船を編成し、淡路島の石を運んで造った」との日本書紀の記述と重なる。ヤマト政権と深い関わりを持ち、海上交通の要衝・明石海峡を支配した人物の墓とみられる。
【幣塚(ぬさづか)古墳】4世紀後半、明石市魚住町清水の丘の上に築かれた直径34メートル、高さ4メートルの円墳。1992年の発掘調査で、墳丘を取り囲むように埴輪が立ち、五色塚古墳と同じく、鰭付(ひれつき)円筒埴輪と鰭付朝顔形埴輪が見つかった。「金の鶏が埋まっている」との伝説に基づき、1886(明治19)年、干ばつや風水害に苦しむ村民らが掘り、石室から鉄刀1本と勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)、小玉などが出土した。
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