「マイロード」。神戸市立西須磨小学校(同市須磨区)の校長、森広樹さん(59)にとって、20日に開かれる第10回神戸マラソン(神戸新聞社など共催)のコースは人生の軌跡そのものだ。生まれ育った街、阪神・淡路大震災で失った実家、歴代の勤務校。それらの周辺を横切る42・195キロには、東日本大震災で被災した教員らと過去の大会で走った思い出も詰まっている。新型コロナウイルス禍で3年ぶりに開催されるレース。走破できるか不安はあるが、はってでもゴールするつもりだ。子どもたちに、命の尊さや諦めない姿勢を示すために-。(大橋凜太郎)
■焼け野原になったふるさとの地
1995年1月17日、阪神・淡路大震災の発生時は五位の池小(同市長田区)の教諭だった。生家があったのは、炎に包まれた長田区御蔵通。母と2人の弟は一時生き埋めになり、実家は後に全焼。西市民病院に入院していた父は圧死こそ免れたが、治療は一時中断し、地震から約2カ月後、転院先の病院で亡くなった。
野戦病院のような医療現場や、焼け野原になったふるさとを目の当たりにした。涙が止まらなくなったが、県内外から集まる消防車や、避難所となった小学校に、全国から集まる支援物資は希望だった。「絶対復興する。へこたれへん」。いつか恩を返さないと、との思いにも駆られた。
若宮小や長田南小、西灘小で勤務後、恩返しの機会は思いがけず訪れる。2012年度から3年勤務した市教育委員会で、防災教育を担当。全国から視察に訪れた教職員や市議に、自身の被災体験を踏まえて神戸市の取り組みを紹介した。「将来の命を守る一助になれば」という一心で、直接の恩返しではない「恩送り」をした。
■仙台との縁、二つの震災に思いはせ
市教委での仕事が縁で、仙台と神戸の両市教委職員でつくる「駆け橋の会」にも参加するようになった。東日本の復興支援から始まった人事交流がきっかけの懇親会で、メンバー有志が仙台国際ハーフマラソンと神戸マラソンに参加。二つの震災に思いをはせながら走り、阪神・淡路を知らない世代も交えて記憶を紡いだ。
13年度に始まり、今回で14回目を数えるが、皆勤だった青沼一民元仙台市教育長が9月に逝去。森さんは、青沼さんのおごりの全くない、気さくな人柄をしのび、追悼の思いも込めて走るという。
■今までの人生を思い返しながら走る
3年ぶりのフルマラソンで練習不足も否めず、走破できるかどうかは正直不安だ。でも、本番前の朝礼では、児童にこう呼びかけた。「立ち止まるかもしれないし、歩くかもしれない。でも、諦めずにゴールを目指すよ」と。
それは、自分の人生にも重なるから。しんどくて休んだり、立ち止まって考えたり、逃げ出したくなったり。それでも諦めずにやり遂げた経験から得られるものがあると、子どもたちに伝えたい。全て「生きてさえいれば」という前提に成り立っていることも。
「神戸マラソンでは、今までの人生を思い返しながら走ることになると思う。家族や両親、子どもたちをはじめ、今まで出会ってきた人への感謝で胸がいっぱい」。森さんは穏やかに笑った。
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