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要請書に対する兵庫県の回答書を受け取る7団体の代表ら(右)=28日午後、神戸市中央区山本通4
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要請書に対する兵庫県の回答書を受け取る7団体の代表ら(右)=28日午後、神戸市中央区山本通4

 2020年3月、精神科病院の神出病院(神戸市西区)で発覚した入院患者虐待事件に関連し、兵庫県弁護士会など7団体が、運営法人への改善指導を県に要請していた件で、県は28日、7団体に回答した。運営法人について「ガバナンス(統治)が機能していなかった」と認める一方、今後については「定期的な報告を求め、指導を行う」と従来の対応を継続する内容で、団体側からは不満の声が上がった。

 事件では元看護師ら6人が、入院患者への準強制わいせつ容疑などで逮捕された。病院が設置した第三者委員会は、今年5月に公表した報告書で、09年以降、少なくとも看護師ら27人が関与した84件を虐待行為と認定。給湯設備の不備や病室の壁、天井のカビなど、療養環境が不衛生だったことも明らかにした。

 報告書は事件の背景に、法人の前理事長による不正利得など、組織運営や経営上の問題があったと指摘。また、法人を管轄する立場の県が、21年3月の一度しか立ち入り調査をしていなかった点にも触れ、対応を「ずさん」と批判した。

 7団体は今月1日、県に要請書を提出。「法に基づく監督権限を行使し、従わない場合には、業務停止を課す必要がある」などと強く求めていた。

 県は要請書への回答で、事業報告書や立ち入り検査の結果などから「同法人が医療法上の『運営が著しく適性を欠く』状態にあるとの要件が認められなかった」と強調。「法人が報告書の指摘事項をどう改善・対処するか、関係者への説明責任をどう果たすのか、定期的な報告を求め、指導を行う」などとした。

 「精神医療サバイバーズフロント関西」主宰の吉田明彦さんは「報告書が出て半年もたっているのに、県としての総括、反省、改善が一切見えず不満。回答についての要請書をまとめて再度提出したい」とした。

 法人と県、市の3者での意見交換会もあった。(貝原加奈)

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