2014年1月、三木市立緑が丘中学校1年の北芝隆晴さん=当時(12)=が持久走を終えた後に校舎4階から転落死した事故を巡り、母嘉代子さん(50)ら遺族が市の責任を問い、計約8200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、神戸地裁であった。久保井恵子裁判長は、体調の異変が見られた隆晴さんを養護教諭に引き渡さなかった男性体育教諭の過失を認め、市に計約2070万円の支払いを命じた。
判決によると、事故は14年1月9日、体育の授業での持久走後に発生。4階教室で1人になった隆晴さんは、窓から中庭に転落して亡くなった。持久走の直後には、雨でぬかるんだグラウンドに寝そべって体操服を泥だらけにした姿や、「1人でぶつぶつ何か言っていた」といった様子を他の生徒らが目撃していた。
訴訟で原告側は、死亡直後の血液検査などから転落の原因を「熱中症による異常行動」と主張。異変が見られたにもかかわらず、体育教諭は適切に対応せず、学校側の管理に問題があったと訴えた。
一方、提訴前の14年6月には、市教育委員会が設置した第三者による事故調査委員会が「インフルエンザなどのウイルス性疾患の脳症による異常行動が原因」「予測不可能だった」などと結論付けた。市側は訴訟で同様の主張をし、持久走後に体育教諭が隆晴さんと会話していたが「保健室に連れて行く義務があったとはいえない」と反論した。
久保井裁判長は判決で、血液検査や当時の気温などからインフルエンザによる高熱で異常行動を起こしたと認定。体育教諭と会話した時点で意識障害が生じていたとし「通常の体育教諭であれば、そのような心身の状態を認識することが可能で、1人にすれば生命身体に危険が生じる可能性を予見できた」と指摘した。
体育教諭が保健室に連れて行き、養護教諭に引き渡していれば「教室の窓の外に出るという異常行動を起こすことはなかった」と認め、教諭の過失と事故発生との間には「相当な因果関係が認められる」とした。
■遺族「救えた命」認めてくれた
判決後、嘉代子さんと祖母の美代子さん(72)が代理人弁護士とともに神戸市内で会見した。市教委の事故調査委による報告書は「自他の安全に対する自己責任感の育成が必要」と提言していたが、嘉代子さんは「判決では『自己責任』ではなく『保健室に行けていれば救えた命』と認めてもらった」と涙を浮かべた。
嘉代子さんによると事故後、「服装が泥まみれな様子は気付いたが、他の用事があって」「声をかけたけども」と話す教諭もいたといい、「もう少し踏み込んで関わってくれていれば」と声を落とした。
「隆晴の命は救えなかったが、裁判を受けて子どもたちに関わる学校の姿勢、先生たちの意識が少しでも変わってくれればと思う」と話した。
三木市教委は「主張の一部が認められなかった事実を受け止め、対応は弁護士と相談して検討したい」とコメントした。
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