兵庫県豊岡市は１日、国の特別天然記念物・コウノトリの関連事業を担う「コウノトリ共生部」を来年３月末で廃止すると明らかにした。市のシンボルであるコウノトリが市役所の部の名称からなくなるが、同共生部の所管業務は来年４月に設ける新部署に引き継ぐ。

　同共生部は、市内で初放鳥があった翌年の２００６年に課から部に昇格する形で発足。中貝宗治前市長も注力し、コウノトリの野生復帰事業や環境に配慮した「コウノトリ育む農法」の普及などを担ってきた。

　関貫久仁郎市長は同日の会見で「コウノトリに関することをゼロにするわけでは一切なく、（各事業を）分割して実施していく」と発言。新設する「くらし創造部」「産業経済部」などに業務を継承する考えを示した。「コウノトリ」を係名などで使用するか検討中という。

　関貫市長は２１年の就任当初から、デジタルトランスフォーメーション（ＤＸ）の推進や子育て支援などを強化するとしており、来年４月の組織改編で重点施策を推進する方針。開会中の同市議会の１２月定例会に改編案を提案している。（石川　翠、丸山桃奈）