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阪神・淡路大震災の発生から「アッコちゃんの時計」が立つまでの経緯がまとめられた映像に見入る5年生=神戸市灘区船寺通3、西灘小学校
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阪神・淡路大震災の発生から「アッコちゃんの時計」が立つまでの経緯がまとめられた映像に見入る5年生=神戸市灘区船寺通3、西灘小学校
校門横で時を刻む「アッコちゃんの時計」=神戸市灘区船寺通3、西灘小学校
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校門横で時を刻む「アッコちゃんの時計」=神戸市灘区船寺通3、西灘小学校
浅井亜希子さん
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浅井亜希子さん

 11月11日。神戸市立西灘小学校(同市灘区)の5年生が、校門横に立つ時計を見上げていた。

 「この時計のこと、知ってる?」

 1組担任の中村功児先生(39)が尋ねた。

 「アッコちゃんの時計」

 子どもたちが声を合わせる。でも、詳しくは知らない。足元にある石碑の文字に視線を落とす。

 教室に戻り、DVDを見た。1995年1月17日の阪神・淡路大震災で亡くなった、西灘小5年の浅井亜希子さん=当時(11)。活発で運動が大好きで、周囲から「アッコちゃん」と慕われていた少女の最期と、時計が立つまでの経緯がまとめられている。

 あの日。神戸市灘区の自宅が倒壊し、一家5人のうち亜希子さんと母鈴子さん(69)が生き埋めになった。数時間耐えて救出されたが、亜希子さんは体を圧迫されたことで全身に毒素が広がる「クラッシュ症候群」を発症。24日後の2月10日に息を引き取った。

 時計は鈴子さんや支援者が力を合わせ、「生きた証しに」との思いを込めて99年末に設置された。映像の最後、鈴子さんはこう呼びかける。「今日という日は今日しかありません。命のバトンを次の世代に渡せるよう、頑張って生きてください」

 映像が終わると、教室が静まりかえった。感じたことをプリントに書いてまとめる。同じ授業をした2組では、ハンカチで涙をぬぐう児童もいた。影山夏輝君(11)は「こんなに悲しい話だったことを初めて知った。同じ学校の同い年だった子が死んじゃったことが、とにかく悲しい。アッコちゃんがどんな子だったのか知りたい」。涙をこらえながら話した。

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 西灘小の5年生59人が、「アッコちゃん」と震災について学んでいます。11月に始まった授業は、来年2月まで続く予定。記者が授業に密着し、「あの日」を知らない子どもたちの学びの様子を報告します。(上田勇紀、井川朋宏、綱嶋葉名)

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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