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長田淳教育長(手前)に報告書を提出する調査委員会の松本隆行委員長=9日午前、神戸市中央区東川崎町1(撮影・中西幸大)
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長田淳教育長(手前)に報告書を提出する調査委員会の松本隆行委員長=9日午前、神戸市中央区東川崎町1(撮影・中西幸大)
報告書の提出を受け、記者会見で頭を下げる神戸市教委の河野剛至児童生徒担当部長(右)ら=9日午後、神戸市役所(撮影・三津山朋彦)
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報告書の提出を受け、記者会見で頭を下げる神戸市教委の河野剛至児童生徒担当部長(右)ら=9日午後、神戸市役所(撮影・三津山朋彦)
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 2年前に当時神戸市立中学校3年の女子生徒がいじめを苦に自殺した可能性がある問題で、第三者による調査委員会(委員長=松本隆行弁護士)は9日、小学5年から継続的にいじめがあったと認め「いじめがなければ自死することはなかった」などとする報告書を長田淳教育長に提出した。

 報告書によると、2020年9月5日朝、女子生徒が自宅の自室で亡くなっているのを家族が発見。机に残されたメモや手紙の内容から、遺族側は「いじめの可能性がある」と申し入れ、市教育委員会は同年12月16日にいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定。弁護士ら5人で構成する調査委を設置し、事案の背景を調べてきた。

 調査委は計61回開かれ、遺族や同級生への聞き取りなどを実施した。報告書では、小学5年から中学1年まで続いたいじめによって自己肯定感が低下し、崩れやすくなっていたと指摘。中学3年で加害生徒と同じクラスになったことでいじめへの不安が募り、そこに成績不振や進路を巡って親に叱られることへの不安が重なったとした。さらに複数のストレスが重なって混乱、疲弊し、試験結果の負担が上乗せされて自死に至ったと推測している。

 机上の手紙については、遺書として書かれたものではなく、いじめを告発する趣旨と理解することはできないとした。また、学校側の対応については、中学3年のクラス替えで加害生徒と同じクラスにした判断を誤りと指摘。女子生徒の自傷行為がエスカレートしていることにも気付かず、適切な支援を行えなかったとしている。

 報告書の提出を受けた長田教育長は「内容を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」と応じた。(大橋凜太郎)

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