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「香住なしの学校」で講師を務める黒野幹彦さん=兵庫県香美町香住区隼人
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「香住なしの学校」で講師を務める黒野幹彦さん=兵庫県香美町香住区隼人

 兵庫県内随一のナシ生産地として知られる香美町香住区で来年4月、地元農家から栽培技術を学ぶ「香住なしの学校」が開校する。独立までの研修期間は2年間。町などが1期生2人を募集している。(長谷部崇)

 香住のナシは「二十世紀」や「幸水」「新興」など、早生(わせ)から晩生(おくて)までさまざまな品種が栽培され、主力の二十世紀は2030年に生産100年を迎える。

 1979年にはナシの園地が100ヘクタールに上ったとされるが、近年は生産者の高齢化と後継者不足が深刻化。ナシ農家でつくる「香住果樹園芸組合」の2022年度の栽培面積は13・1ヘクタール、組合員数は41人と、14年度と比べていずれも3分の2まで減っている。

 そこで、後継者を一から育てる「なしの学校」を開校し、町と県、同組合、JAたじまでつくる協議会で運営する。入校時に実習園を貸し出し、交配や袋かけ、収穫、剪定(せんてい)、病虫害予防など年間を通じた栽培技術をベテランから学ぶ。収穫したナシはJAを通じて販売できる。

 研修機関として県の認定も受けており、研修期間の2年と就農後の3年は、全額国費で月12万5千円(年150万円)を補助。就農後、機械や設備の導入、果樹の植え付けなどは、国や県から4分の3の補助を受けられる。

 1期生の講師は、生産歴45年の黒野幹彦さん(67)と、同40年の駒居勝さん(66)。ミノフ高原(香住区隼人)に1・1ヘクタールのナシ園を持つ黒野さんは「苦労も多いが、きれいで、青い二十世紀梨ができた時のうれしさは格別」とナシ作りの魅力を語る。実習園は引退を考えている農家などから果樹を残したまま町が借り上げ、必要なら町が住居となる空き家を紹介する。

 応募は来年2月10日までで、面談などで研修生を決定。随時、インターンシップ(1週間~1カ月)を受け付けている。町農林水産課TEL0796・36・0846

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