播磨地域の地場産業である皮革と播州織がタッグを組み、新商品の開発に乗り出した。兵庫県皮革産業協同組合連合会（姫路市）が播州織ブランド「ｔａｍａｋｉ　ｎｉｉｍｅ（タマキニイメ）」などとコラボレーション。乳幼児の「ファーストシューズ」や「ファーストバッグ」を完成させ、東京都内で披露した。（末永陽子）

　東京都町田市にあるタマキニイメの直営店。真っ白な曲線が美しい店内で７日、兵皮連が企画した展示会が始まった。並べられたのは、播州織と兵庫県産の皮革を組み合わせた長さ約１５センチサイズの靴。鮮やかな色使いや、かわいらしいデザインが目を引く。

　ファーストシューズは、兵皮連が播州織工業協同組合（西脇市）に打診し、今春、誕生させた。イシヅカ靴店（姫路市）が１６足を製作し、オーダーメードで販売。３月にはフランス・パリで、１２月上旬には東京で開かれた「東京レザーフェア」にそれぞれ出展した。

　兵皮連が東京での展示を模索する過程で、タマキニイメとのコラボが実現。同ブランドは、生地の織り方や染め方が商品ごとに異なる一点物を展開している。コラボ商品のために、濃淡のあるデニムやベージュとグレーを合わせたロゴ入りの生地を作りあげた。

　完成したのは靴とバッグが各４点。皮革はいずれもたつの市の尾垣工業所と大圓製革産業が手がけた。靴の右左で異なる柄をあしらい、なめらかな手触りにするなど細部に職人技が詰まっている。同ブランド広報の藤本隆太さん（３５）は「一つの製品にすることで、それぞれの技術に着目してもらえれば」と期待する。

　展示会は１４日まで開催。兵皮連の担当者は「『オール兵庫』の商品づくりを進め、地場産業を盛り上げていきたい」と話す。

　タマキニイメとのコラボ商品の価格は未定。今後、商品化を目指すという。