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「男女兼用」の下着の開発に携わった安木早苗さん=明石市相生町2
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「男女兼用」の下着の開発に携わった安木早苗さん=明石市相生町2
ジェンダーレス下着を身に着けたモデル(クラッセ提供)
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ジェンダーレス下着を身に着けたモデル(クラッセ提供)

 服装や髪形などで性別にとらわれない「ジェンダーレス化」が進む中、「男女兼用」をうたった下着が登場している。下半身のショーツ(パンツ)だけでなく、男性も着けられるブラジャーもセットにした商品を兵庫県明石市の会社が売り出したところ、購入者の9割が男性という結果に。担当者も「こんなに反響があるとは」と驚いている。同社に寄せられた声によると、さまざまな購入理由があるようで-。「下着もジェンダーレス」が新潮流となる?(津田和納)

 アニメキャラクターなどのコスプレの衣装やウィッグ、カラーコンタクトレンズなどを扱う「クラッセ」(兵庫県明石市相生町2)。約15年前に創業し、最近はインナーや靴、コスメなどを雑貨店「ドン・キホーテ」に卸したり、ネットで販売したりしている。

 男性も着けられるブラジャーを企画したきっかけは約1年前。当初は、男性キャラのコスプレをする女性が、胸を平らに見せるためのブラの開発が主軸だったという。

 同社が衣装などを取り扱うコスプレの世界は、女性が男性キャラに扮(ふん)することも多く、ジェンダーレス指向が強い。次第に「性別の垣根や常識を超えて、好きな下着を着けるという選択肢をつくりたい」という考えが強くなったという。社内でのランジェリー作りも初めての経験で、縫製工場と相談しながら生地や縫い方にこだわった。

 クラッセで副社長を務める安木早苗さんは「矯正下着に使う生地を用いたので、肉感をしっかり押さえてくれるが苦しくない。肩ひもは2重縫いされ、カップも広いので胸が垂れ下がらずにホールド力もある」と工夫点を話す。女性にとっては胸を小さく見せたり、胸が揺れるのを防いだりする機能がある。

 今年6~8月、クラウドファンディング(CF)サイトの「Makuake(マクアケ)」で期間限定で販売した。価格は、ブラとショーツの3点セットは5800円(税込み)。サイズは、女性用のMから男性用のXL(胸囲最大116センチ)まで幅広く用意した。

 「コスプレの土俵ではなく、一般の人が利用するCFサイトでどれだけ受け入れられるか心配だった」(安木さん)というが、目標金額の50万円を超える約86万円を売り上げ、購入者の9割が男性という結果に。男性は50~60代が最も多く、最高齢は70代だったという。

 「女性のパートナーのために購入した可能性も考えたが、男性のLサイズが一番売れたので、男性が自分用に購入した可能性が高い」と安木さん。アンケートやコメントでは「好奇心で買ってみた」「男だって、かわいい下着を着けたい」「大きいサイズがあってよかった」などの声が寄せられた。

 特にレースを施した黒色のショーツは「通気性が良く、脚の付け根を締め付けない」という点が男性に好評だったという。実際にボクサーパンツ派の記者の夫(31)にショーツを着用してもらうと、「自分の脚がこんなに長く見えるんや」との感想。確かに足長効果があるが、そわそわしてすぐに脱いでしまった。

 安木さんによると、ブラジャーの方は、姿勢を正す矯正ベルトの感覚で使う人もいるという。「日常的に消耗品として使ってほしいので、手に取りやすい価格で今後も開発を進めたい」としている。

 現在は通販サイトの「アマゾン」で購入できる。「クラッセ ユニセックスインナー」で検索する。

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