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神戸市が大学誘致や施設の再整備に乗り出す王子公園=1月、神戸市灘区
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神戸市が大学誘致や施設の再整備に乗り出す王子公園=1月、神戸市灘区
神戸市が大学誘致や施設の再整備に乗り出す王子公園=1月、神戸市灘区 
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神戸市が大学誘致や施設の再整備に乗り出す王子公園=1月、神戸市灘区 
王子公園再整備に伴う大学誘致について説明された、神戸市の記者会見=20日午前、神戸市役所
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王子公園再整備に伴う大学誘致について説明された、神戸市の記者会見=20日午前、神戸市役所
神戸新聞NEXT
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 神戸市が計画する王子公園(同市灘区)の再整備について、市は20日、大学誘致に関する公募要項を発表した。選考では運営方針や地域への貢献度、周辺環境に配慮した計画など5項目を審査。公募対象地(約3・5ヘクタール)は100億円で売却するとした。市は「競争力のある大学を誘致し、地域に新たな価値を生み出す」と強調。一方、地元住民らは「議論が尽くされていない」と反発している。

 同公園は約19ヘクタール。動物園やスタジアム、体育館などがあるが、大半の施設で老朽化が進み、市が再整備を予定している。市は今月中旬、スタジアムを公園北側に新築移転し、大学を誘致することなどを盛り込んだ基本方針を公表。当初、廃止対象だったテニスコートやスタジアム内の陸上トラックは一部を確保し、遊園地は動物園内に代わりとなる「レクリエーション施設」を設けるとした。

 市は公募要項で、求める大学像について「周辺の歴史と文化を尊重し、地域と世界に開かれた大学」と明記。大学の役割として、人材育成や産学連携など市域全体への貢献に加え、街のにぎわいづくりや学び直し機会の提供など近隣地域への貢献も求めた。

 審査項目は、大学運営の方針と実績▽地元企業の活性化など地域経済発展への取り組み▽課題解決やにぎわいづくりなどの地域貢献▽周辺と調和した景観と防災機能を有する計画▽財務状況の健全性-の5項目600点満点としている。

     ◇

 神戸市は大学誘致を進める理由の一つとして、学生数の減少を挙げる。

 文部科学省の調査によると、直近10年間の近畿圏の学生数は大阪市が約10%増、京都市で約6%増と増加傾向。対して神戸市は0・8%のマイナスとなった。

 同日の記者会見で市の担当者は、学生が増えれば、将来的な定住人口の増加にも寄与すると強調。「大学誘致が一つの起爆剤になる」とした。また、少子化が進む中で大学は都心回帰が加速しているといい「質の高い競争力のある大学を誘致し、エリアの新たな価値を創出したい」と述べた。

 ただ、こうした市の動きには、「少子化時代にこれ以上の大学は必要ない」など、地元を中心に反発の声が上がっている。地元住民らでつくる「王子公園・市民ミーティング実行委員会」は19日、市民らで考えた案を発表。再整備そのものに反対はしないが、スタジアムや遊園地などの施設は、今の場所でリニューアルするよう求めている。

 市は21日から大学の公募を開始する。来年6月ごろに優先交渉権者を決定する見込みという。同実行委の金丸正樹事務局長は「大学公募を凍結するよう求めており、(公募開始は)遺憾だ。市民との議論が尽くされておらず、利用者の声をもっと聞くべきだ」と憤った。

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