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ぶんぶんごまを基にしたコントローラー(長尾さん提供)
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ぶんぶんごまを基にしたコントローラー(長尾さん提供)
「ぶんぶん! ハンター」のプレー画面(長尾さん提供)
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「ぶんぶん! ハンター」のプレー画面(長尾さん提供)
日本玩具博物館でぶんぶんごまを体験しながら、尾崎織女学芸員(右)の説明を聞く長尾亮虎さん=姫路市香寺町中仁野
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日本玩具博物館でぶんぶんごまを体験しながら、尾崎織女学芸員(右)の説明を聞く長尾亮虎さん=姫路市香寺町中仁野

 ひもを引っ張ると音が鳴る懐かしい玩具「ぶんぶんごま」。独特の楽しさに着目したゲームデザイナーの青年が、歴史や構造を研究し、ぶんぶんごまをコントローラーにしたパソコンゲームを開発した。日本玩具博物館(兵庫県姫路市香寺町)を訪れて見た、世界各地のぶんぶんごまが「参考になった」という。来年1月に大阪で開かれる審査会で一般公開され、プレーも体験できる。

 ゲームを開発したのは、立命館大大学院(京都市)の映像研究科を今秋修了した長尾亮虎(りょうご)さん(24)=同市。同大学の映像学部生だった3年ほど前、「回転」をテーマにしたゲームのアイデアを考えた際に、小学生のころに遊んだぶんぶんごまを思い出した。

 大学院に進み、ぶんぶんごまを使った遊び方を修士制作・論文の大テーマに設定。こまを回す爽快感▽回る際の風切り音がいい▽こまを回す気持ちよさを維持しようと回し続ける-という特徴があると分析し、その形状や大きさからゲームのコントローラーに生かせると考えた。

 研究を進めていた今年2月、ネット検索で見つけた同博物館を訪問した。同博物館は日本以外に中国やネパール、グリーンランド、ハンガリーなど約20カ国のぶんぶんごまを所蔵する。長尾さんは尾崎織女(あやめ)学芸員のガイドでいくつかを回し、紀元前からあり、風切り音には魔よけの意味があることなども知った。

 コントローラーの制作には、軽量化され、音もよく鳴る現代中国のプラスチック製品が参考になったという。長尾さんは「各国のぶんぶんごまを見ないと分からなかったことが多い。大きなヒントをもらった」と話す。

 こうして開発した「ぶんぶん! ハンター」は、フクロウ形の飛行機で獲物を狩るゲーム。コントローラーのこまを回すと、ばさばさと音を出して羽ばたき、飛ぶ方向は手の傾きで調整する。こまが止まると羽ばたく音は消えて静かに滑空し、音に敏感な獲物も狙える仕組みだ。

 来年1月20、21日にJR大阪駅前の「グランフロント大阪北館」で開催される「ISCA2022」では実際に手にして遊べる。

 尾崎学芸員は「ぶんぶんごまは時と国境を超える、おもちゃの大御所の一つ。それぞれの時代の味をプラスして発展し、今回は現代的なアプローチで色づけされてうれしい」と話している。ISCAは入場無料、20、21日とも午前10時~午後5時。事務局TEL06・6229・1801

姫路
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