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 2022年の全国刑法犯認知件数が、20年ぶりに増加する見通しとなったことが警察庁の統計で分かった。刑法犯認知件数は02年の369万3928件をピークに19年連続で減少。21年は56万件台まで減ったが、今年は新型コロナウイルスによる自粛生活が緩和され、人流が戻るにつれて街頭犯罪が増加しつつある。

 刑法犯認知件数が底打ちすれば、刑法犯以外も含めた犯罪全体が増加傾向をたどらないか、警察は警戒している。

 警察庁によると、刑法犯認知件数はコロナ禍の影響で20年、21年は大きく減少。特に20年は多くの人が外出を控えた影響で過去最大の下落率(17・9%)を記録した。

 しかし、今年11月末時点の認知件数は54万9884件。21年の同じ11月末時点と比べると、5・5%(2万8840件)増えた。このまま推移すれば、年間を通して21年の認知件数を上回る見込みとなっている。

 特に増加が目立つのは、自転車盗だ。11月末時点で11万8073件と、前年同期比で約2万件(20・9%)増となった。自転車盗は最も身近な犯罪の一つで、「治安のバロメーター」として動向が注目され、人々が町に出て活動し始めた影響がうかがえる。

 このほか、酒を飲んで寝てしまった人から金品を奪う「仮睡者狙い」が前年同期から42・2%増えて2326件。兵庫県警の捜査関係者は「飲食の制限緩和に伴い、久々の酒席で深酔いしてしまう人も多かったのではないか」と推察する。

 一方、殺人事件は5件減ったが、強制性交等(19・6%増)や強制わいせつ(10・1%増)などの性犯罪は増加。強盗などを合わせた「重要犯罪」全体では8・5%増となった。

 詐欺グループの活動も活発化し、10月末時点の特殊詐欺被害の認知件数は1万3919件(16・6%増)。実質的な被害総額は計280億8405万円(24・9%増)とハイペースで増えている。

     ◇

 11月末時点の兵庫県内の刑法犯認知件数は3万174件で、前年同期比2732件(10・0%)の増。全国と同様、認知件数は増加に転じる可能性がある。県警は20年ぶりの増加を「治安の転換点になる可能性がある」と指摘。警察官の増員や防犯意識の醸成、防犯カメラの普及などで治安はよくなったとした上で「来年以降、刑法犯認知件数の増加が続かないよう、気を引き締めたい」としている。

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