年末年始を古里で過ごす人たちの帰省ラッシュが２９日、ピークを迎えた。新型コロナウイルスの流行「第８波」のさなかだが、全国で行動制限のない年越しとなり、兵庫県内の新幹線の駅はマスク姿の家族らで混み合った。

　新神戸駅（神戸市中央区）のホームは朝から、キャリーバッグなど大きな荷物を手にした人たちの姿が目立った。医療系の大学で４年の男性（２３）＝西宮市＝は３年ぶりに島根県の実家に帰るといい、「医療現場の大変さを知るだけに旅行や飲み会を自粛してきたが、久々に帰ることができてうれしい。のんびり過ごしたい」と語った。

　神戸市立こうべ小学校４年の女児（９）は、４歳の妹と２人だけで広島県の祖父母宅などへ行く予定。見送りの両親の前で「緊張しているけど楽しみ。お餅つきをしたり、ゲームをしたりしたい」とほほ笑んだ。

　ＪＲ西日本によると、１６日時点で、２８日～１月５日の新幹線・在来線の指定席予約は昨年より１４％増え、コロナ禍前の７割程度まで戻った。山陽新幹線の自由席乗車率は２９日午前９時ごろ、新大阪駅で下りが１４０％となった。

　空の便も混雑した。全日空では国内線の予約数が前年比の約２割増、コロナ禍前の８割まで回復。２９日は下り便がピークを迎え、コロナ下では最多の予約数となった。また西日本高速道路によると、関西などの高速道路は下り線が３０日と１月２日、上り線が１月２、３日に特に混雑する見込み。