兵庫県豊岡市が、４月の組織再編で廃止するとしていた「コウノトリ共生部」を、存続させる方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。部の名称から市のシンボルであるコウノトリが消えることに市議や市民らが反発しており、再考を迫られていた。

　市は昨年１１月、現行の９部を１１部に増やす組織再編を４月に行うと発表。コウノトリ共生部を廃止し、新設する「くらし創造部」などに担当業務を引き継ぐことを打ち出し、条例改正案を市会定例会に提案した。

　しかし、コウノトリ関連施策の後退につながりかねないとして市議が難色を示し、市内の若手農家もコウノトリを部の名称に残す要望書を市に提出。市は昨年１２月末、市議会に条例改正案の撤回を申し入れ、承認されていた。

　関係者によると、関貫久仁郎市長は１０日、全市議に改めて意向を説明するという。