商売繁盛や開運招福を願う「十日えびす」が９日、「えべっさん」の総本社とされる西宮神社（兵庫県西宮市社家町）など各地で宵えびすを迎えた。神戸市兵庫区の柳原蛭子神社では「まぐろ奉納神事」と人形浄瑠璃の「戎舞」が３年ぶりに催され、福を求める多くの参拝者でにぎわった。

　同神社は昨年と一昨年、新型コロナウイルス感染対策のため境内での催しや露店の出店を中止していた。今年は周辺一帯に店も並び、３年ぶりのお祭りムードが漂った。

　境内の神楽殿で奉納された「戎舞」では、えびす様が皆の幸福を願いながら酒を飲んで上機嫌に。「ブラボー！」と繰り返してもう一杯飲むと、参拝客からはひときわ大きな拍手が起こった。子ども２人を連れて訪れた女性（３３）＝神戸市兵庫区＝は「にぎやかなえびすさんは久しぶり。今年は旅行やキャンプにも出かけられる年にしたい」と声を弾ませた。

　１０日は本えびす、１１日は残り福があり、同神社によると、参拝見込みは計約８万人。コロナ前に比べるとまだ少ないという。