大地震が起きたことを想定し、自分を主人公にして物語を書く。四国のある中学校で生まれた「防災小説」の取り組みが、全国の学校に広がりつつある。そのとき、どんな被害があり、自分はどう行動するのか。学び、想像して文章にすることで、若い世代の防災意識に変化が芽生え始めたという。教員や専門家はさらなる普及に期待する。
■南海トラフ巨大地震を想定
「中学校から見る街は、黒い津波と茶色いほこりに飲み込まれていた。体育館は避難所になって(中略)親とはぐれて泣く子どもの姿、若い人に押されてこけそうになる高齢者の姿があった」
「思い出の家はただのがれきの山と化していた(中略)町がこんなことになるなんて」
「(避難所では)食料の配給がうまくいかず、中にはまともに一人分の食料を受け取れない人も…」
いずれも高知県土佐清水市にある市立清水中学校の生徒が書いた「防災小説」だ。想定は、近い将来の発生が懸念される南海トラフ巨大地震。四国最南端の足摺岬がある同市は、最大34メートルもの津波が予測される。
■「またその話か」無関心な生徒も
清水中が小説づくりを始めたのは2016年秋。それまでも防災教育には熱心な学校だったが、「またその話か」と無関心な生徒も少なからずいた。
その頃、同市を訪れた慶応義塾大の大木聖子准教授(44)=防災教育=に教員が相談したところ、「自分が主人公のシナリオを書かせてみては」、そう提案されたという。決めたルールは「物語は必ず希望を持って終えること」。
やってみると生徒たちの様子が変わったと、当時校長だった岡崎哲也同市教育長(62)は振り返る。被害想定や避難ルートなどこれまで学んできたことに改めて向き合い、小説に盛り込んだ。
■市の広報誌に掲載
3年の女子生徒(14)は「悩んだけど、書くうちに学んだ防災の知識を思い返した」と話す。小説では地震で変わり果てた街、過酷な避難生活を想像して書き込む一方、日ごろの備えが功を奏し、「市内の死者0人」だったとも記した。「家族でも南海トラフ地震について話し合うようになった」
「防災小説」発祥の地となった同市は、毎月の広報誌に1人ずつ防災小説を載せ、備えを促す。21年には全国から複数の中学校が参加し、取り組みを発表し合う「防災小説交流会」が始まった。
■5校がオンラインで交流会
昨年は東京、愛媛、埼玉などから5校がオンラインで参加。その一つ、北海道釧路市立音別中学校は21年度から授業に取り入れる。
日本海溝・千島海溝で巨大地震が起きた場合、20メートル超の津波が予想される同市。生徒たちは夜に発生した場合の避難方法などを考えながら、小説を書く。同中の白井正憲教頭(50)は「生徒は真剣で、危機感が伝わってきた」と手応えを口にする。
大木准教授は「地震のことを書こうと思うと、まず地震を知らないといけない。学び、想像することで災害を『自分ごと』にしてほしい」と取り組みの一層の広がりを後押しする。

-
神戸
-
神戸
-
教育
-
地方行政
-
-
東播三田北播丹波
-
阪神
-
阪神
-
-
未来を変える
-
但馬
-
阪神
-
姫路
-
-
-
失われた事件記録
-
神戸社会連載まとめ読み
-
教育
-
-
ウクライナ侵攻
-
スポーツ神戸#インスタ
-
地方行政
-
山口組分裂騒動
-
-
教育神戸
-
-
新型コロナ
-
-
神戸教育
-
-
神戸社会連載まとめ読み
-
神戸三宮再整備スクープラボ
-
但馬
-
但馬
-
姫路地方行政
-
教育姫路
-
西播姫路文化
-
地方行政
-
但馬防災
-
神戸
-
地方行政神戸
-
地方行政
-
選挙
-
神戸
-
西播選挙
-
神戸山口組分裂騒動
-
神戸
-
-
文化
-
-
東播
-
神戸
-
スポーツサッカー
-
但馬
-
但馬
-
-
但馬
-
明石
-
阪神
-
神戸
-
姫路#インスタ
-
-
阪神
-
阪神
-
医療生老病支
-
選挙
-
選挙
-
神戸
-
-
-
神戸
-
姫路
-
姫路
-
医療
-
姫路医療
-
西播神戸
-
神戸
-
スポーツ阪神
-
姫路
-
-
社会連載まとめ読み
-
阪神
-
地方行政新型コロナ
-
神戸防災
-
神戸文化
-
医療
-
阪神
-
スポーツヴィッセル
-
阪神
-
神戸
-
神戸
-
神戸
-
神戸
-
神戸
-
神戸
-
教育
-
-
社会連載まとめ読み
-
姫路選挙
-
医療