兵庫県警が２０２２年１月～１１月末に受理した１１０番は４４万５３６０件で、新型コロナウイルス感染拡大前とほぼ同じ水準に戻った。自粛ムードが和らいだことで、外出先でのトラブルも増加しているとみられる。

　県警通信指令課によると、２１年の同時期は過去１０年間で最少の通報件数（３９万６９０３件）だったが、２２年は１２％増。特に夕方、人が動く時間帯の午後４時～同６時台の伸びが顕著だったという。

　いたずらや無言電話、相談など緊急性がない通報が総受理件数の３割以上と、依然高い割合を占めているほか、無応答や誤接続も６万６千件近くあった。電源ボタンを５回押すと１１０番通報できるスマートフォン機能を誤作動させたケースが多かったという。

　また、「交際相手の素性を調べてほしい」「登山道でスズメバチの巣を見つけた」など、警察が対応窓口ではない通報も目立った。

　県警は毎年、１月１０日の「１１０番の日」に啓発キャンペーンを実施。同課は「無応答や誤作動でも、万が一のことを考えると対応は必要。事件事故や災害時に支障が出てくる可能性もある」として、不急の場合は警察相談専用電話（＃９１１０）の利用を呼びかけている。