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「高校、大学時代につながった縁が今も生きている」とほほ笑む前田緑さん=神戸市中央区港島1、神戸学院大
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「高校、大学時代につながった縁が今も生きている」とほほ笑む前田緑さん=神戸市中央区港島1、神戸学院大
防災を学んでいた学生時代の前田さん(右から2人目)
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防災を学んでいた学生時代の前田さん(右から2人目)

■大学職員・前田緑さん(36)=神戸市

 一度は離れた防災の世界。今は母校の学生と共に学び、歩む。

 阪神・淡路大震災で神戸市西区の自宅は半壊、兵庫県稲美町の親戚宅に避難した。小学2年生だった。

 兵庫県立舞子高校環境防災科に、1期生として入学した。小学校での防災出前授業、被災地ボランティア…。学びをさらに深めたいと、神戸学院大では防災教育のゼミを選んだ。小学生向けの教材づくりなどに励んだ。

 就職したJAでは金融業務の担当になったが、子どもの防災教室などに携わるうち、「もう一度」という思いが募った。5年勤めたJAを退職したのは2014年のこと。実習助手として神戸学院大に戻った。

 現在は同大社会連携部の職員で、大学が団体や企業などと取り組む防災事業で調整役を担う。他大学と連携する形での被災地ボランティア活動も推進した。

 もちろん、「防災教育」は自身の変わらぬ大きなテーマ。昨年は、災害時に役立つ備蓄や防災食について学べる教材を教員らとともに作った。

 キャンパスの学生にとっては、頼りになる先輩であり、よき理解者でもある。「同じ授業受けてたな」「私も力不足で悩んだな」。かつての自分を思い出しながら、「ボランティア活動は休息も必要」「無理しないで」と助言を送る。

 人としゃべるのが好き。「初めまして」の相手でもすぐに打ち解けられる。そんな性格は高校、大学で知り合った同級生や、ボランティア活動、人前での発表を通じて培われたと思う。多くの被災者、それに寄り添う人たちを見てきた。

 今の学生は28年前の震災を体験していない。それでも、ここで学んだことをいつか次の世代に伝えてくれたらうれしい。後輩たちを優しく見守る。

【特集ページ】阪神・淡路大震災

防災震災28年舞子高校
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