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「大学院で新しい価値観と出合えた」と語る桝田和宏さん=神戸市中央区東川崎町1
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「大学院で新しい価値観と出合えた」と語る桝田和宏さん=神戸市中央区東川崎町1
大学院時代、研究内容を発表する桝田さん(提供)
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大学院時代、研究内容を発表する桝田さん(提供)

■音楽家・桝田和宏さん(50)=神戸市

 ボイスパーカッションの第一人者として知られる音楽家で、KAZZ(カズ)の名前で活躍する。6年前、「本気の防災」を志して大学院の門をたたいた。

 神戸市長田区出身。大学3年生のときに震災が起こり、同じ区内の祖母宅は全焼した。自身も避難所や仮設住宅で暮らしながら、音楽を続けた。プロのアカペラグループを率いてライブ活動を展開。全国の学校で歌い、語り部として阪神・淡路の経験を伝えた。

 だが、震災10年が過ぎたころから「語りにくくなった」と感じるようになる。子どもたちの反応は、どこか遠い出来事のよう。「地震の話は、もういいんじゃないですか」と言われたこともあった。

 「災害は繰り返し起こるのに」。もやもやした思いを抱えて過ごす中、兵庫県立大の大学院に減災復興政策研究科が新設されることを知る。「これだ」。2017年4月、1期生として入学した。

 研究テーマに据えたのは「音楽を通じて、いざというときに助け合える仕組みの実践研究」。印象に残っているのは、フィールドワークで新潟県中越地震の被災地を訪れた際のことだ。一時全村避難を余儀なくされた旧山古志村(現長岡市)の住民に話を聞くと、その後、村の少子高齢化は進む一方だったという。被災地を元気にするために「互いに手を携え合っていかなければ」、そう思った。

 指導教員の仲介で、神戸出身のシンガー・ソングライター石田裕之さんと出会い、歌で防災を届けるユニット「ブルームワークス」を結成。大学院時代の出会いが今を支える。

 「防災を文化にしたい」

 2年間の授業で学んだことを生かしながら、音楽で人と人を、被災地と被災地とをつないでいきたいと願う。

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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