兵庫県の斎藤元彦知事は18日、不妊治療に向け、不妊の原因を調べる検査を夫婦で受ける場合に費用を助成している県制度に関し、対象の所得制限を撤廃する方針を明らかにした。現行は夫婦の合計所得400万円未満を要件にしているが、不妊治療の普及などで幅広く潜在的なニーズがあるとみて対象を広げる。2023年度当初予算案に経費約500万円を盛り込む。
不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦らは、国の統計で約5・5組に1組。検査は治療の入り口となり、原因が男性側か女性側か見極められる。世界保健機関(WHO)によると、男性側が原因の不妊も半数近くあるとされる。県は男性の検査を後押しするため21年度から、全国の都道府県では5番目に、夫婦ペアでの検査に助成を始めた。
ただ、初年度は約800万円を予算計上したが、助成実績は33件約30万円と低調で、医療現場から「所得制限がニーズとそぐわない」との声も上がっていた。
また現在は、夫婦が仕事などで同時に受診できない場合、期間が1カ月以内であれば別々の受診でも助成しているが、この期間を3カ月程度まで広げ、利用しやすくする。
年齢要件は変わらず、「初診日の妻の年齢が43歳未満」とし、事実婚も利用可。ペアで計3万円程度かかる検査費用のうち、7割(上限5万円)を県と市町が負担し、残り3割を夫婦側が負担する。
神戸市内の不妊治療外来を18日に視察した斎藤知事は取材に「早期の検査が不妊治療には有効。検査を受けやすくし、治療を後押しする環境を整えたい」とした。県庁内の環境も整え、職員が年間で最大10日取得できる不妊治療休暇を同17日に拡充する意向といい、民間企業にも取り組みを促していく。
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