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芥川賞受賞が決まった井戸川射子さん=19日夜、東京都千代田区
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芥川賞受賞が決まった井戸川射子さん=19日夜、東京都千代田区
芥川賞受賞が決まった井戸川射子さん(右)=19日夜、東京都千代田区
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芥川賞受賞が決まった井戸川射子さん(右)=19日夜、東京都千代田区
井戸川射子さん(C)田中尚樹
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井戸川射子さん(C)田中尚樹

 作家で詩人、高校の国語教師でもある35歳が、初ノミネートで芥川賞に輝いた。受賞作「この世の喜びよ」は育児休業中、子ども2人と向き合った日々をヒントにつづった。受賞作を収録した小説集の別の作品では、子育て中の女性のつらい部分を描いたが、「育児には喜びがある。そこをうまく書きたいなと思いました」。

 父も国語教師で、何となく「夢は先生」と周囲に話していた。関西学院大在学中に「40人の生徒と1年間じっくり触れ合えるのはいい」と、同じ道に進むことを決めた。

 いざ教壇に立つと、自らの読書量不足を痛感し、芥川賞や直木賞の受賞作、候補作を読みあさった。教え方が分からず、自身で詩作を始めて投稿に夢中になり、まとめた第1詩集「する、されるユートピア」が中原中也賞に選ばれた。

 ところが「詩の内容が実体験と思われ、書きにくくなった」。そこで小説に挑戦し、2021年に「ここはとても速い川」(講談社)で野間文芸新人賞を受けるなど、確固とした才能を示してきた。

 この世の-は、主語を二人称の「あなた」とした。「いろんな書き方を試したかった。育休中はしんどくて、誰かに見守ってほしい気持ちになり、呼びかけにした」。実験的な文体への挑戦も評価された。

 職場復帰した現在の執筆時間を尋ねると「早く起きるしかない。午前5時から1、2時間、ぎゅっとやっています」。笑顔を見せた。兵庫県出身。

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