成人男性４人の死亡が確認された神戸市兵庫区湊町１の３階建て集合住宅での火災。集合住宅の２階で寝ていた男性（７３）は消防隊員に避難するよう言われ、靴もはかずに階段を駆け下りた。「１階の南の角の部屋から激しく煙が出ていた」といい「あのまま寝たままだったらと思うと恐ろしい」と話した。

　３階の男性（６９）も寝ていたが、外の騒がしさで目を覚ました。窓を開けると下の階から煙が上がり「火事や」と叫ぶ声を聞いて避難した。「煙を見た時は一瞬でやばいと思った。もう何がなんだかわけがわからない」と困惑していた。

　隣の３階建て民家に住む女性（５９）は、自宅前で消防車が相次いで止まるのが気になり、３階の窓を開けた。隣接する集合住宅から煙りが上がっているのに気付き「これはまずい」と、同居する家族３人とペットの小型犬を連れて外へ逃げた。

　女性は「建物の中から何人も担架で運ばれるのを見た。私たちは寝る直前だったから早く気付くことができたが、もし寝静まった後だったらどうなっていたか」と振り返った。