神戸連続児童殺傷事件など、重大少年事件の記録が各地で廃棄されていた問題を受け、最高裁が記録保存の在り方を議論している。だが4年前の2019年、憲法判断が争われた重要な民事裁判記録の大量廃棄が分かった際にも、保存方法は見直したはずだった。当時この問題を報じた元記者の2人は今、全国の家裁で、裁判の判決書に当たる少年審判の審判書までが捨てられていたことに驚く。「なぜ保存が大事かという根本が分かっていない」。最高裁の検証作業に厳しい目を向ける。
■著名な事件記録が多数廃棄
19年に民事裁判記録の廃棄を特報したのは、元朝日新聞記者の奥山俊宏・上智大教授(56)と、元共同通信記者の澤康臣・専修大教授(56)。2人は「パナマ文書」に基づきタックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴く国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の報道にも携わった。
奥山さんは同年2月、永久保存に当たる「特別保存」とされた事件記録が東京地裁でわずか11件で、憲法25条が定める生存権の解釈が争われた「朝日訴訟」など著名な事件記録が多数廃棄されていたと報じた。一方、澤さんは同年8月、代表的な憲法判例集に掲載された民事裁判の記録137件のうち、86%に当たる118件が廃棄済みだったと伝えた。
■「もう少し残っていると思った」
18年に情報公開請求から取材を始めた奥山さんは、長期にわたり重要裁判の記録の存否を確認した。結果的に「朝日訴訟」のほか、法廷で傍聴人がメモをする権利が認められる契機となった「レペタ訴訟」や、バブル崩壊を象徴する裁判の一つである「山一証券粉飾決算訴訟」など、大量の裁判記録が廃棄された事実にたどりついた。
「もう少し残っていると思ったのでショックだった」と奥山さん。今回、新たに少年事件記録の廃棄が分かり、「審判書さえ廃棄されていたことが衝撃的」と語る。「民事裁判は、記録が廃棄されても、判決書は基本的に残っていた。ただ当時、少年事件記録は調べ落としてしまった」と振り返る。
■追跡作業で手が腱鞘炎に
一方、澤さんは、憲法判例集に掲載された137件の記録の保存状況を、事件番号から一つずつ確かめた。判例データベースなどで追跡する作業で「手が腱鞘(けんしょう)炎になった」といい、86%が廃棄と判明した際は「ニュースにはなったが、非常にがっかりした」という。
民事裁判記録の廃棄問題を受け、20年、各裁判所が記録保存の運用要領を策定した。2人の報道からわずか3年後、今度は重大少年事件記録の廃棄が相次いで判明したが、裁判所側は当初、「解決済み」との姿勢をにじませた。澤さんは「裁判所は十分変われていないのではないかと疑問がある」と話した。(霍見真一郎)
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