２０１５年に日本郵政の専務執行役として、傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命を合わせ３社の株式上場を担った。困難を極めた財務省との調整を「ガチガチの議論をしたが、最後に大事なのは互いの信頼」と振り返る。

　政権交代など政治に翻弄（ほんろう）され、二転三転した郵政民営化。当初から日本郵政公社の経営企画部担当部長や日本郵政の常務執行役などとして、制度設計の見直しや経営計画作りに携わった。

　旧兵庫県柏原町（現丹波市）出身。少年時代は豊かな自然の中でフナ釣りや虫捕りに夢中になり、カブトムシは卵から育てた。人類学者を志したこともあったが、県立柏原高時代に父を亡くし、大学院に進学することで母に負担をかけたくなかった。東大卒業後、旧郵政省に入った。

　現在は、ゆうちょ銀行副社長として、マネーロンダリング対策やコンプライアンスを担当。「現場や社員への信頼を大事にしている」と力を込める。

　趣味は２０代で始めたベンチプレス。東京都世田谷区のパワーリフティング大会で銅メダルを獲得したことも。「１００キロを挙げた時には新しい世界が見えました」と笑う。