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兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5
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兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県は2023年度、児童養護施設や里親家庭で育ち、自立後に保護を離れた「ケアリーバー」の実態調査に乗り出す。頼れる人がおらず孤立し、経済的に困窮するケースもあるとされ、当事者の聞き取りなどを行い必要な支援を検討する。

 虐待などで親元で暮らせず、施設や里親の「社会的養護」の下で生活する子どもは全国で4万人以上いるとされる。原則18歳(最長22歳)までに自立するが、厚生労働省が21年に公表した実態調査では、回答した約3千人の2割超が「収入より支出が多い」と答えた。県によると、虐待などのトラウマ(心的外傷)によって就職できず、若くして生活保護を受給する事例もあるという。

 24年施行の改正児童福祉法では、施設などで暮らす年齢上限を撤廃し、施設や自治体が自立可能と判断するまで支援が可能になる。 県が乗り出す実態調査の対象は、神戸市を除く県内の児童養護施設26カ所を17~22年度に退所した約250人。調査する範囲は県児童養護連絡協議会と協議する。就労や修学、住まいや家計の状況をアンケートや聞き取りで調べる。

 斎藤元彦知事は3日、加古川市内の児童養護施設を視察した後、会見し「親元を頼れないケアリーバーは孤立しやすい。実態を把握し、必要な支援を行うのは県の責務だ」と話した。

 県は施設側がケアリーバーの相談室や交流スペースを新増設する際の費用も補助する方針。総額約4千万円を23年度当初予算案に盛り込む。

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