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西宮市役所=西宮市六湛寺町
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西宮市役所=西宮市六湛寺町
新型コロナワクチン接種事業のコールセンター業務について委託先が契約違反をしていたことを説明する西宮市保健所の園田敏文副所長(左)とワクチン接種課の池田敏郎課長=西宮市役所
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新型コロナワクチン接種事業のコールセンター業務について委託先が契約違反をしていたことを説明する西宮市保健所の園田敏文副所長(左)とワクチン接種課の池田敏郎課長=西宮市役所

 兵庫県西宮市は10日、新型コロナワクチン接種事業のコールセンター業務を委託した人材派遣会社「パソナ」に対し、約4億5千万円の返還を求めると発表した。パソナが業務を再委託した業者「エテル」(大阪市)が、オペレーターを契約より少なく運営した上で虚偽の報告をしていた。エテル社は大阪府吹田市、枚方市でも同様に虚偽報告していたといい、3市への過大請求額は総額で約10億8千万円に上るとみられる。

 西宮市によると、新型コロナワクチンの接種事業の事務処理や電話相談、窓口業務を2021年3月からパソナに委託。このうちコールセンター業務は、パソナがエテル社に再委託していたという。コールセンターの席数は市とパソナが相談して決めていた。

 22年11月1日、枚方市で稼働している席数が少ないとの指摘があり、パソナがエテル社に確認したところ、決められた席数を下回る運営をしていたことが分かったという。

 22年12月5日にパソナから西宮市に報告があり、同市がエテル社のタイムカードなどを調査したところ、契約当初から少ない席数で運用しており、結果として契約数の約58%しか運用していなかったことが判明したという。予定数と実態の差額は約4億5千万円に上り、今後返還額を確定し、厳正に対処するという。

 また、コールセンターには医療的な相談も受けられるよう、常に医療資格を持つ看護師などのオペレーターが最低1人必要だったが、その契約も守られていないことがあったという。

 パソナ社は「多大なる迷惑をかけたことをおわびし、再発防止に向けて誠心誠意取り組むとともに、今後も内部統制やコンプライアンスのさらなる強化を図り、信頼回復に努める」とコメントした。

 同市の担当者は「パソナに対しては、損害賠償請求などの法的措置の可能性も含めて検討中だが、市として管理指導不足だった。市民の方が何度も電話をかけざるを得ない状況があったことは、本当に申し訳なく考えている」としている。

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