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50代男性の再診時の眼内。組織ににごりが現れている(神戸市立神戸アイセンター病院提供)
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50代男性の再診時の眼内。組織ににごりが現れている(神戸市立神戸アイセンター病院提供)
ぶどう膜炎の原因ウイルスを巡るオンライン会見に臨む神戸市立神戸アイセンター病院の杉田直医師(右)ら(同病院提供)
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ぶどう膜炎の原因ウイルスを巡るオンライン会見に臨む神戸市立神戸アイセンター病院の杉田直医師(右)ら(同病院提供)
神戸新聞NEXT
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 神戸市立神戸アイセンター病院(神戸市中央区)などは、失明の恐れもある眼疾患「ぶどう膜炎」の原因として、感染力が強いヒトアデノウイルスが関わる症例2例を、世界で初めて確認したと発表した。ぶどう膜炎の新たな原因ウイルスを特定したことになり、新しい治療法の開発などが期待される。

 ぶどう膜炎は、光の量を整える「虹彩」、ピントを調節する「毛様体」、強膜と網膜間の「脈絡膜」からなるぶどう膜に炎症が起こる。原因としてさまざまな病気や感染症が挙げられるが、網膜の壊死を伴う重症の場合、ほとんどがヘルペスウイルスによるものと考えられてきた。

 ところが、視野欠損で同病院を受診した50代の男性患者は、抗ヘルペス薬の内服治療などに効果が見られなかった。炎症細胞を取り除く手術を実施した際に眼内の体液を検査したところ、ヒトアデノウイルスが検出された。

 同ウイルスには100を超える型があるが、眼内で確認したのは世界初という。

 さらに、ヘルペス性の急性網膜壊死と診断されていた60代の女性患者も治療が効かず悪化。検査の結果、新型のヒトアデノウイルスを確認した。

 ヒトアデノウイルスの治療薬は開発されていないが、正しい診断で悪化を防ぐ対症療法を選べるという。同病院の杉田直医師は「医学的に大きな一歩。適切な検査法の普及や新たな治療法の開発につなげたい」と話している。

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