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 2020年12月、兵庫県三木市立三木特別支援学校で人工呼吸器を着けた当時中学3年の女子生徒(17)が意識不明の重体となった事故で、女子生徒と両親らの計4人が、三木市に総額約1億2200万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こしたことが分かった。今年1月6日付。

 訴状などによると、20年12月11日、同校で学校看護員が気管の痰排出を補助する措置を施すため、女子生徒の体を持ち上げた後に容体が急変した。気管にチューブを挿入し、吸引処置をしたが様子は変わらず、病院に搬送。現在も「脳死に近い状態」が続いている。

 市教育委員会が設置した第三者委員会は、調査報告書で学校関係者の対応に逸脱した行為はないと結論付けた。一方、人工呼吸器具で酸素を送り込む「人工換気」が早期にされていれば、低酸素状態を回避できた可能性も指摘していた。

 今回の訴えで両親らは、医療的ケアの根拠となる主治医の指示書では、チューブ挿入の深さが示され、痰吸引をできない場合は人工換気に切り替える必要があると主張。吸引措置を続けた点が過失と指摘した。

 20年6月にも同様に容体が急変していたが、両親に報告がなかったとし、学校が情報提供を怠らなければ「主治医と相談して方針を考え、十分な対策を立てるか学校に通わせるのをやめるかを判断した」とした。

 両親の代理人弁護士は、事故に関係した可能性のある器具が紛失されているとして「重大な問題」と説明。女子生徒の両親は「何があったのか。真相が知りたい」と話した。

 市教委は「弁護士と協議し対応する」とした。

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