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松本零士さん
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松本零士さん
生前、宇宙への思いを熱く語っていた松本零士さん=2007年4月、東京都練馬区
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生前、宇宙への思いを熱く語っていた松本零士さん=2007年4月、東京都練馬区
生い立ちから60年間の画業人生を振り返る松本零士さん=2014年7月12日、丹波市氷上町西中、市立植野記念美術館
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生い立ちから60年間の画業人生を振り返る松本零士さん=2014年7月12日、丹波市氷上町西中、市立植野記念美術館
自身の人生の歩みと作品との関わりについて話す松本零士さん=神戸市東灘区向洋町2、ホテルプラザ神戸
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自身の人生の歩みと作品との関わりについて話す松本零士さん=神戸市東灘区向洋町2、ホテルプラザ神戸

 13日、85歳で亡くなった世界的な漫画家、松本零士さん。「銀河鉄道999」や「宇宙海賊キャプテンハーロック」で知られる巨匠は、幼少期を兵庫県明石市で過ごし、独特の感性をはぐくんだ。生涯尊敬した父は陸軍航空隊の元飛行士。戦時中、新型機開発のテストパイロットとなり、一家で明石へ引っ越し、明石公園近くの川崎航空機の社宅に暮らしたという。

 神戸新聞に執筆した「随想」では、「鉄道で神戸へ行けばハイカラな都会があり、家の近所では自然に触れられる恵まれた環境だった。(略)緑豊かな明石城は兄や私の格好の遊び場だった。遊泳禁止の池で泳いだり、木登りをしたり。まさにユートピアだった」と懐かしんだ。

 このころ、昆虫へ興味を持ち、デビュー作の漫画「蜜蜂の冒険」でも昆虫を主人公に。また、アニメーションに興味を抱いたのも明石時代。父のコレクションの映画フィルムで外国アニメに親しんだほか、明石の映画館で鑑賞した国産ミュージカルアニメ「くもとちゅうりっぷ」(政岡憲三監督、1943年)に感銘を受け、アニメ制作を夢見るようになった。

 この映画の思い出を、後年、漫画家手塚治虫さんに話すと、2人は全く同じ時期、同じ明石で見ていたことが判明。「(映画館で)隣同士に座っていたかもしれないな」と神戸新聞のインタビューに答えている。

 明石の子午線碑を見ては地球や宇宙を思ったといい、漫画家となってからは、「銀河鉄道999」など、宇宙を舞台にしたSF作品でブームを巻き起こした。「漫画家として大切なものすべては、明石や神戸で出合った」とも語った。

 宝塚造形芸術大(現宝塚大)の教授として若手の指導にも尽力した。

 妻で漫画家の牧美也子さんは神戸市出身。2016年には2人の作品世界を紹介する「夫婦コラボ展」が神戸市内で開かれた。

明石神戸阪神
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