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トルコの地図を見ながら、今後の支援のあり方を話し合う植田隆誠さん(右)と吉椿雅道さん=神戸市兵庫区中道通2
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トルコの地図を見ながら、今後の支援のあり方を話し合う植田隆誠さん(右)と吉椿雅道さん=神戸市兵庫区中道通2

 発生から20日で2週間となったトルコ・シリア大地震。兵庫県からトルコ南部に支援に入った人たちが同日、神戸新聞社の取材に応じ、死者が両国で4万6千人を超えた被災地の様子を語った。

 神戸市兵庫区の非政府組織(NGO)「CODE(コード)海外災害援助市民センター」は、吉椿雅道事務局長(55)と学生スタッフの植田隆誠さん(22)の2人を11~17日、トルコ南部に派遣した。

 南部の都市ガジアンテプを拠点に、震源地に近く甚大な被害が出たカフラマンマラシュなどを訪問。神戸から持参した防寒着や子どもたちのメッセージを手渡した。

 18日に帰国した植田さんは「『助けはいつ来るんだ』と訴えてきた男性の顔が、いまも思い浮かぶ」と振り返る。

 国際政策に興味を持つ関西学院大総合政策学部3年生。「いましかできないことをしたい」と昨年4月から休学し、カナダ留学の後、CODEにインターン生として加入。今回が初の海外被災地訪問となった。

 2人は現地ボランティアと一緒に街を歩き、被災者らの声を聞いて回った。「自分たちみたいに話を聞く人は見かけなかったが、誰にも断られなかった」と植田さん。ガジアンテプの避難キャンプでは、氷点下の寒さの中でテントで寝泊まりする中年男性が、「助けはいつ来るんだ。寒い。薬もない」と目を見て訴えてきた。「何も言えず、うなずくしかなかった」

 避難生活の寒さでかぜをひいた子どもたちの姿も目にした。一方で自家発電機を備えた学校の避難所もあり、公的支援や避難環境の格差を感じた。

 聞き取りをして出会ったのは、遺族や避難者ら約100人に上った。現地の学生ボランティアは「私たちの話を聞いてくれたのは、あなたたちが初めてだ」と喜んだという。植田さんは「じっくりと話を聞くことの大切さを実感した」と話す。

 CODEは近く理事会を開き、今後の支援方針を決める。吉椿さんは現地の建物の耐震性不足を課題に挙げ、「小さな集落で、耐震性を高めるプロジェクトができないか。現地の学生ボランティアやNGOと情報交換をしていきたい」と前を見据える。

 CODEは26日午後2時から、神戸市長田区二葉町7のふたば学舎で緊急報告会を開く。吉椿さんと植田さんが被災地の様子を語り、現地とオンラインでつなぐ予定。無料。会場参加は申し込み不要。オンライン参加はCODEのホームページから申し込む。CODETEL078・578・7744

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